大会後には「衝撃の発表」が…全国高校駅伝で“史上最速レース”三つ巴の激闘を制した最強ランナーの胸の内「世代No.1は自分という走りができた」

　今年（2025年）もエースたちの競演は見応えがあった。

　全国高校駅伝・男子の１区には高校生のトップランナーの証、5000m13分台の選手がなんと19人も登場した。その中で群を抜いて存在感を示したのが、増子陽太（学法石川高・福島）、新妻遼己（西脇工高・兵庫）、本田桜二郎（鳥取城北高・鳥取）だ。この3人が、雨が降り頻るなか、高速レースを牽引した。

　1区はトラックを1周してから五条通に飛び出す。

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「レースプランは特に立ててはいなかったんですけど、やっぱり積極性っていうのはしっかり持って、その中でラスト勝負になったらしっかり勝ち切ろうって思い浮かべて走っていました」

新妻、増子、本田…「三つ巴」の先頭争い

　競技場内で早速先頭に立ったのが新妻だった。

　そのすぐ後ろに付けていた増子は、トラックを出ると、新妻の右隣に並ぶようにポジションを変えてレースを進めた。

「本当は新妻君に付いていく作戦だったんですけど、予想以上に自分の調子が良くて、後ろを走ったら（歩幅が）詰まるかなと思ったので横で走りました」

史上最速レースとなった全国高校駅伝の1区　©JIJI PRESS

　そして、本田はこの2人のすぐ後ろにぴたりと付いた。

「2人が格上なので引っ張ってもらって、ラストで差すという展開が理想でした。ひたすら食らいつく走りをしようと思っていました」

　終盤までもつれれば自分に分がある。ラストスパート勝負に持ち込むのが本田のプランだった。

　5kmを14分21秒で通過。前回、この区間の日本人最高記録を打ち立てた鈴木琉胤（八千代松陰高・千葉、現・早大）よりも9秒速い通過タイムだ。この時点で先頭集団は11人いたが、緩やかな上りが続くこの局面で1人また1人と後退し、6km時点で先頭争いは増子、新妻、本田の3人に絞られた。

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