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「もっと“秋本美空”を見て」同世代ライバルが異例の訴え…女子バレー期待の新星・秋本美空19歳は何がスゴい?「木村沙織さんを超えるぐらいの…」
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田中夕子Yuko Tanaka
photograph byNaoki Nishimura/AFLO SPORT
posted2025/12/19 11:07
同世代のライバルをも魅了する秋本美空(19歳)の才能とキャラクター。今夏、ヴィクトリーナ姫路からドイツにレンタル移籍して経験を積んでいる
「その前にも選考合宿があったんですけど、最初は私がコロナで、2回目は美空がコロナで不参加だったので会ったこともないのに、いきなり『やっほー』って。正直、え?って思ったんですけど、私も一応『やっほー』と返して。後から聞いたら美空も誰だかわからなかったけど、忘れていると思われたら失礼だから声かけたって言っていました(笑)」
高校は愛媛と東京。SVリーグでも刈谷と姫路。現在は日本とドイツ。ずっと離れた距離にいるが「まったく気を遣わないで何でも話せる」と言うように、事あるごとに電話で近況を報告しあっている。
他愛もない会話の中にはバレーボールのことも。試合で負けた後に「ここが悪かった」とポツリと漏らしても、すぐに反省して課題にアプローチする。そんな秋本を見るたびに北川は刺激をもらっている。
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「もともとの才能もあるけれど、ちゃんと努力できるから美空はすごい。ホワホワしたイメージだから、努力とかけ離れているように見えるかもしれないですけど、できないことに対してものすごく練習する。特に高校生の頃はサーブレシーブとブロックが苦手で、あんまりできる印象がなかったんですけど、日本代表のプレーをみるとレシーブ力もめちゃくちゃ上がっているし、ブロックも海外の選手をどんどん止める。努力して、うまくなっているんだなってすごく感じました」
秋本の姿を見て、同世代の選手たちが負けじと「自分たちも」と努力を重ねて成長を誓う。世代を代表する存在の秋本も極寒の欧州で自らが掲げた目標を叶えるべく、努力する日々を過ごしている。
日本が世界一になるために、すべてのプレーで世界に通用する選手になりたい――春高バレー優勝から始まった飛躍の2025年は間もなく終わり、来年はロス五輪出場をかけたシビアな戦いが待っている。「日本一」という夢を有言実行した1年前のように、次はどんな夢を現実に変えるのか。さらなる進化は、きっと、これからだ。



