「もっと“秋本美空”を見て」同世代ライバルが異例の訴え…女子バレー期待の新星・秋本美空19歳は何がスゴい？「木村沙織さんを超えるぐらいの…」 

　笠井は一緒に“世界”と戦ってきたからこそ、秋本がすぐにトップの日本代表で活躍することを信じて疑わなかったが、「（ここまでの活躍は）想像以上だった」と笑う。ただ、自身も将来的に海外でのプレーを視野に入れているとあって秋本が決断した選択には「大正解」と太鼓判を押した。

　一方で、笠井は同世代の一人としてバレー界の風潮への懸念を吐露する。

©︎Yuki Suenaga

「お母さんが元日本代表で同じバレーボール選手ということで過剰に注目されて、SNSで誹謗中傷する人もいます。いろいろな意見が飛び交うのは仕方ないことなのかもしれないけれど、もっと一人のバレーボール選手として秋本美空を見てほしい。そういう気持ちはずっとあります」

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　秋本の母・愛さん（旧姓・大友）はかつて日本代表として活躍し、ロンドン五輪のメダル獲得にも貢献したレジェンドの一人だ。ただ、その大きな存在がゆえに「大友愛の娘」という肩書きが先行してきたのも事実。

「もしも比べられることがあるとしたら、かわいそうだなと思いますね」

　より深く秋本の心労を慮るのは同い年の北川美桜だ。笠井と同じクインシーズ刈谷に所属するミドルブロッカーで、今夏のＵ21世界選手権で銀メダルを獲得。10月に開幕したSVリーグでもすでにスタメンの座を確保している。

「あれが北川の娘なの？」

　じつは北川の父・祐介さんもパナソニックや豊田合成で10年間プレーし、ブロック賞を5度も受賞したミドルブロッカーだった。現在は愛工大名電高校の男子バレーボール部監督を務めている。同じポジションの父を「選手としても尊敬するし、父親としても大好き」と笑顔で語る北川だが、それでも親の存在がプレッシャーになったこともある、と明かす。

「うまくいかなかった時に『あれが北川の娘なの？』とか、思う人もいるじゃないですか。そう見られるたび、お父さんに申し訳ないなって。美空は活躍しているからそんなことは考えないかもしれないですけど（笑）」

　共通点が多い二人は互いに「（世代別）代表でも一番仲良し」と語る間柄。出会いは高校1年、U18日本代表合宿に向かう駅の改札だった。

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