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「阪神に行きたくねえな…」幼なじみが“まさかの阪神2位指名”でパニック…高校監督「阪神かホークスが2位、3位指名かもよ」ロッテ・田村龍弘のドラフトウラ話―2025年下半期読まれた記事
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中村計Kei Nakamura
photograph bySankei Shimbun
posted2025/12/23 17:00
2012年10月25日、ドラフト会議。ロッテから3位指名を受けた光星学院高・田村龍弘(左)と阪神から2位指名を受けた北條史也
「ドラフトって順位が一つ下でも嫌な感じがするじゃないですか。違うチームならいいですけど、同じチームでそれは嫌やな、と」
田村の心中は察するに余りある。小学生のときから田村は常に北條の一歩先を行っていた。その北條より順位が下だというのは田村のプライドが許さないだろう。
田村は念を送った。
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「三巡目に阪神から指名されそうな気がしてたんで、その前に名前呼ばれてくれ、って。あとで北條に聞いた話なんですけど、実際に阪神は3位で僕のことを指名するつもりだったらしいです」
阪神の三巡目指名が近づいてくる。田村の願いが通じたのは、その直前だった。阪神の一つ前で千葉ロッテが田村を3位指名した。予想外の球団だったが、ぎりぎりのところで田村の自尊心は保たれた。
田村が味わった“絶望”「正直レベルが違うんですよ」
田村は同世代の選手にとって、一つの基準だった。高校時代、完全無欠を誇っていた田村がプロの世界でどこまで通用するのか。それによって、プロのレベルを測ってもいたわけだ。
その田村に「プロの世界はどう映っているのか」と質問した。すると、聞くまでもないだろうという表情を浮かべ、「見ての通りですね」とだけ言った。
田村のそれぞれの年の成績を眺める。プロ12年間におけるここまでのピークは2016年からの3年間だろう。いずれも130試合以上出場している。その間の最高打率は2016年の2割5分6厘だ。
本塁打数に関しては、92試合の出場にとどまったものの、2020年の4本がキャリアハイである。高校時代の「打てる捕手」というイメージは、まったくなかった。
田村の眼光がさらに鋭くなる。
「正直、レベルが違うんですよ。高校、大学、社会人とは。そこの一線でやってても、みなさんが思ってる以上の壁がある。高校で輝いてたからとか、大学で輝いてたからとかは本当に過去の栄光でしかないなって思います。そんな甘くないんですよ」
入団1年目のキャンプは二軍からスタートした。その初日に田村は小さな絶望を味わった。
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―2025下半期『さよなら、天才』部門 BEST5
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