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山本由伸、伝説的リリーフのウラで…「大量の鎮痛薬を飲んでいた」ロハス「同点で泣いちゃった」マンシー「負けたと誤解した」キケ、ドジャース“脇役”ストーリー―2025年下半期読まれた記事 

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生島淳

生島淳Jun Ikushima

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posted2025/12/20 06:00

山本由伸、伝説的リリーフのウラで…「大量の鎮痛薬を飲んでいた」ロハス「同点で泣いちゃった」マンシー「負けたと誤解した」キケ、ドジャース“脇役”ストーリー―2025年下半期読まれた記事<Number Web> photograph by AFLO

ワールドシリーズ連覇で喜ぶ、キケ・ヘルナンデスと山本由伸。じつはキケは試合中に「負けた」と勘違いしていた

 キケは世界中でただひとり、「負けた」と思っていたのだ。

 パヘスが「大丈夫かい?」と声を掛けてきた。その時初めて、キケはパヘスがボールをキャッチしていたことを知った。

 だからこそ、ダグアウトに戻るとき、ふたりは笑顔だったのだ。

ロバーツ監督「ヤマとローを信じたんだ」

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 イベント満載、傑作中の傑作となった今年のワールドシリーズだったが、特に第7戦の物語は壮大なものになった。なにせ、先制3ランを献上した大谷翔平の存在さえ、飲み込んでしまったほどなのだから。

 ロハスの身に起きた出来事を読むだけでも、野球とは「人間の営み」なのだな、と思わされる。

 これだけの選手たちをマネージメント、いや、オーケストラのコンダクター、指揮者の役割を果たしたのはロバーツ監督だった。優勝後、監督はこう話した。

「ヤマ(山本のこと)を信じたのは、彼の魂の中にある『何か』を信じたからだ。これはデータでは証明できない。『この男は、何かやってくれる』、そう感じたんだ。ミギー・ロー(ロハスのこと)も同じだ。9回表、普通なら代打の場面だったかもしれない。それでも彼は特別なことを起こす、そう信じられる何かがあったんだ」

 かつてロバーツ監督は、ポストシーズンでの無理な投手起用が祟って、敗退したことがあった。私はそれ以来、ロバーツ監督のポストシーズンの采配に懐疑的だったが、経験を重ね、戦術眼が研ぎ澄まされたとしか言いようがない。

 ロバーツ監督はドジャースの強さは、人間性にあると断言した。

「世間ではドジャースはデータ主義だと言われるけれど、それはまったく違う。レギュラーシーズンでは数字が意味を持つ。ところが、ポストシーズンでワイルドカードから13勝して世界一になるためには、信じるべきはデータではなく、人間性なんだ。勝負を決めるのは、数字でも相性でもなく、人間だ」

 あれだけ胸を打つワールドシリーズが完成したのは、ドジャースには強烈な個性、能力を持つ人間が集まり、彼らが勝利のためにすべてを犠牲にする覚悟を持っていたからではないか。

 まったく、なんて奴らだ!

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