Number Web MoreBACK NUMBER

ドジャース・山本由伸の米国現地評に“大きな変化”…カーショウ「ヤマを真似しろ」敗れた敵将「まるで3人の投手」なぜ評価が急上昇したか?―2025年下半期読まれた記事

posted2025/12/20 06:01

 
ドジャース・山本由伸の米国現地評に“大きな変化”…カーショウ「ヤマを真似しろ」敗れた敵将「まるで3人の投手」なぜ評価が急上昇したか?―2025年下半期読まれた記事<Number Web> photograph by Getty Images

ドジャース2年目、米国での評価も急上昇した山本由伸

text by

笹田幸嗣

笹田幸嗣Koji Sasada

PROFILE

photograph by

Getty Images

2025年の期間内(対象:2025年9月~12月)まで、NumberWebで反響の大きかった記事ベスト5を発表します。山本由伸部門の第4位は、こちら!(初公開日 2025年12月2日/肩書などはすべて当時)。

 ワールドシリーズでの激投、献身的貢献、3勝を挙げてのMVP。ポストシーズン24年ぶりの2戦連続完投勝利も含め、今や山本由伸は先発投手としてメジャーリーグの頂点に立ったと評価される。

 だが、ちょっと前の彼には辛辣な声も多かった。12年総額3億2500万ドル(約507億円)もの契約に見合う投手なのか……。

 ヤンキース、メッツなどとの大争奪戦の末にドジャースに入団しながら、1年目は7勝止まり。右肩の不調で3カ月余り負傷者リスト入りし、投球回数もわずか90イニング。今季は開幕からローテーションを守り続けたものの、中4日での先発登板はキャリアでまだ一度もない。年平均で約2700万ドル(約42億円)ものサラリーをもらう投手ではないという声が米国内にはあったが、この秋の圧倒的パフォーマンスで雑音はまったく聞かれなくなった。それどころか、早くも来季のナ・リーグのサイ・ヤング賞は山本、大谷翔平、ポール・スキンズ(パイレーツ)の争いと言われるまでに評価を上げた。

カーショウも絶賛「ヤマを真似しろ」

ADVERTISEMENT

 同じフィールドでプレーする選手の間では以前から山本への評価は高かった。パドレスのダルビッシュ有は今季序盤、山本のボールを見て言った。

「間違いなくサイ・ヤング賞級のボールを投げている」

 そして、サイ・ヤング賞3度、MVPも受賞した同僚のクレイトン・カーショウも山本を称賛していた。

「まさに理想的で無駄のない美しい投球フォーム。子供たちにもヤマの投げ方を真似しろと言っているくらいだ」

 山本の投球フォームは力みがまったく感じられない。足も大きく上げなければ、反動を使うこともない。投げ出しはノーワインドアップ、セットでも変わらず、マウンドの傾斜を利用し、ホームプレートへ真っ直ぐに自重を利用し加速していく。筋力で運動ベクトルを生み出さないから、無駄な力は抜け、リラックスした状態からリリースの一瞬に力を注ぎ込むことができる。カーショウが称賛したのはこの一連の動きであり、山本は傾斜のない平地でのキャッチボールでも再現性を高める努力を怠らない。

【次ページ】 山本の“実はスゴい”キャッチボール

1 2 3 NEXT
#山本由伸
#大谷翔平
#クレイトン・カーショウ
#ポール・スキーンズ
#ダルビッシュ有

MLBの前後の記事

ページトップ