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蛍光灯で殴り合い、大流血して…メキシコ人デスマッチファイター「もっと日本にいたい」ビオレント・ジャックの切実な思い「外国人がって…でも、ここがオレの家」 

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橋本宗洋

橋本宗洋Norihiro Hashimoto

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photograph byNorihiro Hashimoto

posted2025/12/14 17:21

蛍光灯で殴り合い、大流血して…メキシコ人デスマッチファイター「もっと日本にいたい」ビオレント・ジャックの切実な思い「外国人がって…でも、ここがオレの家」<Number Web> photograph by Norihiro Hashimoto

プロレスリングFREEDOMSの現シングル王者、ビオレント・ジャック

「まだ足りない、もっと日本にいたい」

 最初の来日は1週間。次は1カ月。半年いても「まだ足りない、もっと日本にいたい」と思った。暮らしやすい日本が好きになっていたし、何より日本でプロレスをすることが楽しくて仕方なかった。

「FREEDOMSにはいろんな選手がいる。GENTAROさんとはグラウンドばかりの試合ができるし、(ドラゴン・)リブレとはルチャのスタイル。それにやっぱりデスマッチ。ここは世界のトップが集まってるから」

 FREEDOMSのシングル王座は、計5回獲得。日本で学んだことも多い。

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「昔のワタシのビデオ見ると、あんまりいい試合してない。アドレナリンだけで試合してた感じで、あんまり考えてなかった。今は考えて試合をするようになって、それでタイミングとかリズムが変わったと思う。日本で、FREEDOMSでデスマッチやってる。それは凄いプライドある」

 今、ルチャ・リブレの世界は大きな盛り上がりを見せている。今年4月には、メジャーなルチャ・リブレのプロモーションであるAAAが、世界最大のプロレス団体WWEに買収された。そのことでメキシコ人選手がアメリカに進出する機会がさらに増える可能性がある。

「それはないなぁ」ジャックが即答した質問

 ジャック自身、昨年ツアーをしてメキシコマット全体の熱を感じたという。

「自分と同じくらいの(30代の)新しい選手がいっぱいスターになってる」

 メキシコにはチャンスがある。帰ろうか迷う時もありますかと聞いてみると「それはないなぁ」とジャックは即答した。

「思ったのは“ワタシも日本でもっと頑張ろう”って」

 日本のプロレスが好きだし、日本のカルチャーが好きだし、日本での家族との生活が好きなのだとジャックは言う。休日は娘と公園に行くのが憩いの時間。娘は「ソラマチが大好き」でスカイツリーにも。ジャック自身は日本のお寺が好きだ。

「静かで、歴史を感じるでしょう。あと……これがある」

 少し考えて、スペイン語からの翻訳アプリで出てきた日本語を見せてくれた。スマートフォンの画面には「知恵、智慧」とあった。彼はそういうものを愛する人間なのだ。

【次ページ】 「外国人が、外国人がって…でも、ここがオレの家」

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