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「新しい価値を作っていける」大迫傑(34歳)が本音で明かす中国メーカー「リーニン」と契約したワケ「メイド・イン・チャイナの概念を変えた方がいい」 

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涌井健策(Number編集部)

涌井健策(Number編集部)Kensaku Wakui

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photograph byShota Matsumoto

posted2025/12/06 17:02

「新しい価値を作っていける」大迫傑(34歳)が本音で明かす中国メーカー「リーニン」と契約したワケ「メイド・イン・チャイナの概念を変えた方がいい」<Number Web> photograph by Shota Matsumoto

12月7日のバレンシアマラソンに出場する大迫傑が、中国メーカーのリーニンと契約した理由を明かした

僕はなぜ休めたのか

――振り返ると、3月の東京マラソンの出場をキャンセルしてからレースの間隔も空くし、所属先が決まらない期間も半年ほどありました。不安はありませんでしたか?

大迫 不安は特にないですね。今振り返っても東京マラソンはキャンセルして良かったなと思っています。自分の意思で休むってなかなかできないじゃないですか? サラリーマンでも、フリーランスでも、アスリートでも。僕がなぜ休めたのか。単純に言うと、それまで頑張ってきたからなんですよね。10月にはスポンサーがいくつか決まりましたけど、それまでメインスポンサーがなかった。その収入がなくても生活できたということは、それまでの競技を僕が頑張って築いてきたものがあり、そのアドバンテージを使ったということです。それによって心身共にリフレッシュできて、自分の走りたいタイミングで走り出せた。フレッシュな気持ちで競技に向き合えるし、先ほども言った新しいメソッドで取り組めるという状態は、不安ではなく、むしろ喜びですよね。

――春先、取材をした後に冗談っぽくですが「キャンセルしたので、次のレース、結構プレッシャーかかりますよね」と言っていたので緊張しているのかなと思ったのですが、結果として違ったんですね。

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大迫 去年くらいから徐々に(精神的に)吹っ切れてきたところもあります。人生は、他人軸じゃなくて、自分軸で突き詰めていった方がむちゃくちゃ楽だなって。昨日、ずっとオーセンティック(authentic)っていう単語について考えていたんです。日本でもプロランナーが増えていますけど、そもそも「プロって何だろう」って。何か違う言葉に置き換えられないかと考えたときに、本物であるとか、自分に正直だったりとか、自分軸でこう物事を考えていくみたいな意味合いのその単語がピンときたんですよね。なんかいい言葉だなと思って。

――日本初の「オーセンティック・ランナー」ですね。

大迫 次にタトゥーで文字入れんならオーセンティックだな(笑)。

第1回から続く>

【動画を見る】この記事の背景をより深く理解できる大迫傑選手への独占ロングインタビューは、NumberPREMIER内【動画】「ロス五輪までに2、3本レースを」大迫傑が語ったマラソン&駅伝の負荷と“スローダウン”の理由「次の所属契約先とは…」でご覧いただけます。

 

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