「打者なら支配下指名も濃厚」だった18歳…なぜドラフト前に進路変更？ 経験わずか2年でも“最速153キロ”投手にこだわりのワケ「プロに行くからには…」 

　3回戦の伊丹北戦は、新井は「3番・右翼」でスタメン出場するも、先発、2番手の控え投手が打ち込まれ、4回途中から3番手投手として緊急登板した。5回2/3を投げ8奪三振1安打無失点（与四球は1）と完璧なピッチングを見せたが、打線が振るわず1－4で敗れ、悲願の甲子園への道がここでついえた。

　それでも新井は充実した高校野球生活を朗らかな表情で振り返る。

「高校ではここまで注目してもらえる選手になれたというのが一番の成長かなと思います。自分がプロの世界へ行ける可能性を持てるようになるなんて。高校入学直後は、ここまでになれるとは思っていなかったです。高校で3年間頑張って、大学でも野球を続けられるようになればいいなと思っていたくらいなので」

笑顔で高校生活を振り返る新井　©Fumi Sawai

春には高校ジャパンの強化合宿にも招集

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　今年4月にはU18高校日本代表候補強化合宿にも招集された。

　春の地区大会直後にもかかわらず、シート打撃で全力投球を見せ、150キロに迫る剛球で全国屈指の精鋭たちを力で圧倒。かけがえのない経験となった。

　夏休みの間も毎日ジムに通い、トレーニングも続けてきた。現在も週に数度、学校での練習とジムでのトレーニングに明け暮れ、近藤監督が「現役の時よりもやり込んでいるんじゃないですか」と言うほど身体作りに没頭している。

　学校での練習はバッティングに時間を割いている。聞くと、大学ではまず野手として経験を積みながら、投手の練習を徐々に増やしていくという。「自分は体格がある方ではないですが、持っている長打力を生かしていけたらと思います。ただ……木製バットは全然飛ばないです」と苦笑いする。だが、新井のポテンシャルならそれほど時間はかからないだろう。

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