「打者なら支配下指名も濃厚」だった18歳…なぜドラフト前に進路変更？ 経験わずか2年でも“最速153キロ”投手にこだわりのワケ「プロに行くからには…」 

打者なら「支配下指名も濃厚」だったが…？

　ただ、新井に関してはプロ志望届を提出すれば打者として支配下でも指名される可能性が高かったとも言われている。それでも本人が気にしていたのは投手としての評価だった。

「やっぱり1位の方が試合に出られるチャンスも多いですし、期待も大きい。プロに行くからには1位で行きたいと思っています」

　今年のドラフト会議当日は自宅でテレビ中継を見ていたという。自分が知っている選手の名前がどんどん呼ばれる中で、呼ばれない選手も多くいたことが印象に残っている。

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「自分が知っている選手でも指名されなかった選手が結構いたので、プロの世界はあらためて厳しい世界だと感じました」

支配下、育成で総勢116人の選手が指名された、2025年のドラフト会議 ©Yuki Suenaga

　4年後、自分は必ず1位で――。その思いを胸に、大学でも投手、野手としてどんな姿を見せてくれるのだろうか。

「打者としては長打力もそうですが、アベレージにもこだわりたいです。投手としての理想は安定感があって試合を作れる投手です。そのために今しっかり準備をしていきたいです」

　高校野球のラストゲームは状態が良かったこともあり「自分が試合を最初から最後まで投げ切って満足した内容で終わりたかった」と新井は後悔しているという。それでも急成長を遂げた2年半。その成長曲線の先は、大学野球、さらに向こうまでずっと続いているのだろう。まだまだ成長中の“二刀流”の進化は、大学野球界に進んでも留まることを知らない。