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CSで“同点一発”“まさかの盗塁”DeNA石上泰輝は「ミスをしても、取り戻す機会を無駄にはしない」気骨の男…目指すは「また代表の舞台へ」 

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石塚隆

石塚隆Takashi Ishizuka

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posted2025/11/24 11:01

CSで“同点一発”“まさかの盗塁”DeNA石上泰輝は「ミスをしても、取り戻す機会を無駄にはしない」気骨の男…目指すは「また代表の舞台へ」<Number Web> photograph by JIJI PRESS

2年目の今季、序盤戦のバックアップからシーズン後半には打撃も徐々に状態を上げ、CSジャイアンツ戦では本塁打も放った石上

「ベンチにいるときは、自分の役割は何なのかを考えていました。途中から守備や代走でゲームに出る機会はあったので、そこでアピールじゃないですけど、とにかく勝利に貢献することを意識していました」

 春から夏にかけて、打撃の調子はあまり上がらなかった。オールスターゲーム前までの打率は1割台。苦しい時間だったが、夏場を迎えるとヒットが増え始め、オールスター後からシーズン終了までの打率は3割を超えた。果たしてなにが変わったのだろうか。

打撃が上向いてきた要因

「工夫しながらいろいろなことを試していました。例えばバットを短く持ったり、村田(修一・野手)コーチからは、バットが下から出がちということで、それを直すようなスイングやティーのやり方を教えてもらって、実践していきました」

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 そしてメンタル面の成長や、重ねてきた経験も実を結ぶようになっていったという。

「やはり1年目を経験し、年間を通じての試合であったり、体の疲れなどを知れたことが2年目に活かされたと思います。あとは一軍のピッチャーのボールに慣れてきたというか、同じピッチャーとの対戦も増えてきて、ボールの質や出どころ、軌道などが記憶に残っているので、それもあってミートできるようになってきたと思っています」

 今季退団した、野手コーチを務めていた石井琢朗(現・巨人ファーム監督)は「石上は実戦向きの選手、試合に多く出ることで成長していく」と以前語っていたが、まさに“習うより慣れろ”といったスタンスが合っているのだろう。

プロ初本塁打の思い出は?

 今季、石上の印象的だったシーンは、まず8月29日の中日戦(横浜スタジアム)、9回裏にプロ初本塁打を放ったことだろう。5回裏に左中間へヒットを打った石上だったが、三塁上でタッチアウトされる走塁ミスを犯してしまう。この際に右小指MP関節橈側側副靭帯付着部剥離骨折をしてしまい、負傷を抱えた状態での一発だった。

【次ページ】 CSで見せたビッグプレー

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