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ハマ街ダイアリーBACK NUMBER
CSで“同点一発”“まさかの盗塁”DeNA石上泰輝は「ミスをしても、取り戻す機会を無駄にはしない」気骨の男…目指すは「また代表の舞台へ」
text by

石塚隆Takashi Ishizuka
photograph byJIJI PRESS
posted2025/11/24 11:01
2年目の今季、序盤戦のバックアップからシーズン後半には打撃も徐々に状態を上げ、CSジャイアンツ戦では本塁打も放った石上
「ホームランを打てたことはうれしかったんですけど、やっぱりその前に走塁ミスをしていてチームの足を引っ張っていたので。ゲームにも負けてしまいましたし、正直、あの試合はいい思い出はないんです」
初本塁打は出たが、チームの力にはなれなかった。だから素直に喜べないと石上は言う。
この翌々日、石上は登録抹消されるが、最短の10日間で一軍復帰した。掴みかけているチャンスを逃したくはなかった。
CSで見せたビッグプレー
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そしてもうひとつは、10月12日に開催されたCSファーストステージの巨人との第2戦(横浜スタジアム)である。
DeNAが先勝し、勝ち抜けへリーチが掛かった試合だったが、ゲームは拮抗し延長戦へ。11回表、巨人に5-6と勝ち越しを許した裏の攻撃、石上は2死走者なしの状況で打席に立つと、二塁への内野安打でヘッドスライディングをして泥臭く出塁した。さらに、まさかのスチールを決め、その後のサヨナラ勝ちに繋がる要因を作っている。アウトになればそのまま負け試合になるという状況での、ギリギリの選択だった。
「タイミングが合えば、行こうと思っていました」
石上は冷静な面持ちで言った。そして次のようにつづけるのだ。
「あの試合、初回にエラーをして失点に繋がってしまい、そのエラーを取り返すことしか頭になかったので、とにかく同点にしたいという気持ちだけでした。最後は勝ててよかったと思います」
この試合、初回にエラーをした裏の攻撃で石上は3ラン本塁打を放ち、同点に追いついている。それだけでは飽き足らず、責任を感じ、何とか勝利に結びつけるためにミスが許されない盗塁を決め切った。

