- #1
- #2
ハマ街ダイアリーBACK NUMBER
CSで“同点一発”“まさかの盗塁”DeNA石上泰輝は「ミスをしても、取り戻す機会を無駄にはしない」気骨の男…目指すは「また代表の舞台へ」
text by

石塚隆Takashi Ishizuka
photograph byJIJI PRESS
posted2025/11/24 11:01
2年目の今季、序盤戦のバックアップからシーズン後半には打撃も徐々に状態を上げ、CSジャイアンツ戦では本塁打も放った石上
「ミスはしたくはないし、してはいけないのですが、試合に出ている以上、それを取り戻すチャンスはあるので、その機会を無駄にはしたくないんです」
ミスをしても全力で取り返そうという気骨
初本塁打のときもそうだが、これが石上という選手なのだろう。チームの勝利を至上のものとし、プレーする。ミスを犯したとしても、それを全力で取り返そうとする気骨がある。今のDeNAにはこの精神が求められているといってもいいだろう。
石上は力強い声で言うのだ。
ADVERTISEMENT
「本当、この1年はいろいろな経験ができて、野球人生のなかでも大きな意味を持つ時間だったと思います。いかに波を少なくし、平常心を保つことができるか。今季の経験を活かして、来シーズンはもっとチームの勝利に貢献したいと思います」
心身ともに急成長中の、内野のユーティリティー。自分の立場を盤石にするためには、これからが大事なのは間違いなく、石上の存在が、来季のDeNAのカギになることだろう。
またあの舞台に選ばれたい
今回、インタビューしている間、石上はほとんど表情を緩めることはなかった。ただただ真剣に野球だけを見つめていた。1年半ほど前、オープン戦で活躍したルーキーの石上にインタビューしたことがあったが、そのときはまだ新しい戦いが始まるといった高揚感が見られ、柔和な雰囲気を醸し出していた。
しかし今や克己心と覚悟が滲み出る、プロの顔になった。
そして最後に、来春開催される『ワールド・ベースボール・クラシック2026』について尋ねると、思いを馳せるように石上は言った。
「選ばれたいなと思いますし、またあの舞台で応援されるように、オフもしっかりとトレーニングして過ごしていきたいと思っています」
日本代表に選出されるには高いハードルが待ち受けるが、その出塁能力と走力、守備の適応性、そしてパンチ力のある打撃は侍ジャパンで武器になる可能性は高い。朗報を待ちたい。
〈全2回の2回目/はじめから読む〉

