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法廷決着がついた「ワリエワのドーピング事件」に残るナゾ…違法薬物はどこから? 関係者に広がった疑心暗鬼、NHKの取材にコーチ本人が答えたこと
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田村明子Akiko Tamura
photograph byKYODO
posted2025/11/15 17:01
現在はロシアを中心にアイスショー出演などを行っているカミラ・ワリエワ(2025年10月撮影)
筆者がロシアに行けなかった理由
ニューヨークを拠点にしている筆者は、海外の関係者とも交流が多い。アメリカには、移住して長いロシア関係者も大勢いる。詳細は明らかにはできないが、このルートでならたどり着けるのではないかというあてを、いくつか探った。
多くの関係者の努力によって、数カ月の交渉の末にようやく取材許可が下りた。ところが取材に同行する予定でニューヨークでロシアのビザの申請手続きをしている最中に、ウクライナによるモスクワへのドローン攻撃が始まった。
結果としてその2カ月後、最小限に絞ったメンバーのみが日本から飛び、現地クルーと撮影、取材を行った。だから筆者はモスクワの取材には参加していない。
驚愕した、トゥトベリーゼへの直接取材
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ドキュメンタリー番組はもちろん見させてもらったが、『栄冠と絶望のリンク』を読んで、あまりの内容の濃さに圧倒された。何十時間にも及ぶ取材の中で、テレビで放映できるのはわずか1時間弱に過ぎない。映像で公開されることのなかったインタビュー、エピソード、舞台裏が惜しげもなく書き綴られていた。
焦点はもちろんワリエワだ。15歳だった彼女にとって、ドーピング陽性の結果はおそらく青天の霹靂であったことは間違いない。好奇の目にさらされていた彼女が五輪開催中どういう思いでいたのか。ボロボロになったフリーの時に、何を考えていたのか。そして現在どのような環境でどんなトレーニングをしているのか。ドーピング陽性結果について、現在はどう考えているのか。
さらに圧巻なのは、これまでメディアの取材をほとんど受けなかったエテリが、自分がコーチになるまでの逸話、トレーニングの方針、戦略などを詳細にわたって語っていることだ。
