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「何年経っても都大路なんて無理やぞ」離島の公立校の奇跡…なぜ"スポーツ推薦ゼロ"で「県大会11連覇中」強豪私立を倒して全国高校駅伝に行けた?
posted2025/11/08 06:01
小豆島高校として「最初で最後」の全国高校駅伝出場を決めた
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NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
いまを遡ること12年。中学3年生の真砂春希は、自身の進路に悩んでいた。
真砂が生まれ育ったのは、四国・香川県の小豆島という離島である。人口2万5000人ほどの小さな島に当時は2つの高校があり、普通なら地元の小豆島高校に進学するはずだった。
だが、真砂には陸上競技の才能があった。県中学総体の1500mと3000mで3位に食い込む実力から、当時香川県の高校駅伝で8連覇中だった"絶対王者"尽誠学園からも声がかかった。当然、真砂はその強豪への進学を第一候補として考えていた。地元の小豆島高校は部員不足で前年は駅伝の県予選に出場すらできていない状況だったからだ。
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ところが、そんな真砂を困惑させる出来事が起きる。
同い年で、県中学総体1500mと3000mで2冠を達成していた増田空が「俺、小豆島に進学すると思う」と言い出したのだ。
強豪校は確かに魅力的だ。だが、それよりも増田と自分が中心となって「島から初となる全国高校駅伝に出る」——この思い付きの魅力に、15歳の真砂少年は抗えなかった。
こうして翌2014年4月、真砂と増田はともに小豆島高校に入学する。
"小豆島の奇跡"はなぜ起きた?
しかし、そんな離島の公立校はすぐに快進撃を繰り広げることにはならなかった。初の香川県駅伝では、王者・尽誠学園に実に5分以上の差をつけられての完敗だった。
「このままじゃ何年経っても都大路なんて絶対、無理やぞ——」
入学前に思い描いていた"小豆島の奇跡"は、早くも暗礁に乗り上げた。では、この敗北から離島の「普通の公立高校」はどのようにして強豪私立校に挑んでいったのか——その後の“奇跡の軌跡”は本編で描かれている。
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この文章の本編は、以下のリンクからお読みいただけます。
