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メジャーリーグPRESSBACK NUMBER
ダルビッシュ有「本当に、いっぱいいっぱいだった」ドジャース世界一の裏で手術決断「ギリギリの状態」右肘で投じた21球“覚悟のマウンド”
text by

山田結軌Yuki Yamada
photograph byGetty Images
posted2025/11/08 11:03
今シーズンは右肘の痛みを隠して戦い続けたダルビッシュ
レギュラーシーズンでパドレスのリリーフ投手のチーム防御率3.06はメジャー30球団トップ。同被打率.209、WHIP(1イニングあたり何人の走者を許したか)1.15のいずれもMLB1位だった。それだけ強力な中継ぎ投手がそろうからこそ、短期決戦でのパドレスには期待があった。しかし、カブスに1勝2敗で敗退。リリーフ投手陣のポテンシャルを十分に発揮する機会がなく、2025年が終わった。
ダルビッシュのメジャー14年目の今季は、苦しいシーズンだった。3月中旬に右肘の炎症で開幕に向けた調整が中断した。慎重に回復に努め、復活を期した。5月中旬にマイナー3Aでリハビリ先発に臨んだが、その後に再び右肘に異常が生じた。
「すべて出し切った」身を削った1年
一時は「肘のことでスライダーを諦めなきゃいけないかもしれない」という危機にも直面した。それでも、右肘を下げた新フォームを取り入れるなど試行錯誤。登板間のブルペン投球は、強度を落として負担を軽減しながら、試合に臨んだ。
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「本当に、いっぱいいっぱいだった。ずっと(右肘の負傷から)帰ってきてからも、すべて出し切った。とにかく疲れましたね。(右)肘もそうですけど、それに対してアジャストもしなきゃいけない。毎球、毎球いろんな不具合と向き合わないといけなかった。体もそうですけど、精神的に疲れた年でした」
実は2年前、ダルビッシュは次に手術が必要な状況になれば、それはイコール“引退”を意味する、と受け取れる発言をしている。〈つづく〉

