メジャーリーグPRESSBACK NUMBER

ダルビッシュ有「本当に、いっぱいいっぱいだった」ドジャース世界一の裏で手術決断「ギリギリの状態」右肘で投じた21球“覚悟のマウンド” 

text by

山田結軌

山田結軌Yuki Yamada

PROFILE

photograph byGetty Images

posted2025/11/08 11:03

ダルビッシュ有「本当に、いっぱいいっぱいだった」ドジャース世界一の裏で手術決断「ギリギリの状態」右肘で投じた21球“覚悟のマウンド”<Number Web> photograph by Getty Images

今シーズンは右肘の痛みを隠して戦い続けたダルビッシュ

 右肘はギリギリの状態だった。チームの命運を託されたマウンドは、カブスとのワイルドカードシリーズ第3戦。勝てば地区シリーズ進出、負ければシーズン終了の一戦にダルビッシュは先発を任された。

 しかし、そのマウンドはあっけなく終わってしまった。1回0/3で21球、4安打2失点で交代を告げられた。試合は1-3で敗れた。

「すごく寂しいです…」

 終戦後の静かなクラブハウスでは、選手やスタッフらがお互いを労いハグを交わす。ともに戦った仲間たちを称え、感謝する。39歳のベテランは、チームリーダーのマチャドと隣り合うロッカーに腰かけながら、しばらく話し込んだ。

ADVERTISEMENT

「すごく悔しいですね。すごくいいチームでしたし、仲のいい、みんなで支え合っているチームだったので。ここで終わってしまったというのはすごく寂しいです」

 昨今、ポストシーズンでは先発投手に長いイニングを任せず、リリーフ投手を早い段階で投入する戦術が主流だ。加えてマイク・シルト監督(後に辞任)は、特に継投が早いことで知られる。ダルビッシュも「初球から全力で行けるように」とペース配分を度外視して投げる決意だった。もしかするとこの時から、右肘のタイムリミットがあったのかもしれない。

メジャー14年目の苦闘

「最初から短いイニングという感じだったので、とにかく組み立てがどうとか、次の打席(打者2巡目以降)を考えるよりかは、1球目からマックスで、そういう感じで考えていました」

【次ページ】 「すべて出し切った」身を削った1年

BACK 1 2 3 NEXT
#ダルビッシュ有
#サンディエゴ・パドレス
#ロサンゼルス・ドジャース
#大谷翔平
#マニー・マチャド

MLBの前後の記事

ページトップ