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「出雲5位はありえない。みんな『なんで?』と」全日本大学駅伝で駒澤大を奮起させた“危機感”…「監督の戦略と選手の気持ちがマッチした」

posted2025/11/06 17:56

 
「出雲5位はありえない。みんな『なんで?』と」全日本大学駅伝で駒澤大を奮起させた“危機感”…「監督の戦略と選手の気持ちがマッチした」<Number Web> photograph by Tadashi Hosoda

出雲駅伝は5位に終わったが、全日本大学駅伝で2年ぶりの優勝を飾った駒澤大。箱根駅伝に向けての戦略はいかに

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佐藤俊

佐藤俊Shun Sato

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出雲駅伝で「惨敗」を喫した駒澤大が、全日本で見せた強い駅伝。何が彼らを変えたのか、そして箱根に向けての手応えまでをチームの言葉から読み解く。〈全2回の2回目/はじめから読む

 全日本大学駅伝で2年ぶりの優勝を果たした駒澤大。

 その要因のひとつが「攻めの中盤」という戦略がハマったことだが、もうひとつの要因は、気持ちの回復、チームの一体感の醸成だった。

山川主将の鼓舞

 出雲駅伝が終わった後、主将の山川拓馬(4年)はミーティングで、こう言った。

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「もう3冠はできないけど、全日本と箱根は獲りたい。残り2つを獲りにいこう」

 山川はその心境について、こう語る。

「出雲の5番は本当に衝撃的でした。いくら拮抗したレースであっても、優勝を狙ったなかで5番はありえない。もう言葉が出ないくらいの惨敗で、みんなも『なんで?』という感じだったんです。そこで、みんなが危機感を覚えました。今のままではダメだという気持ちがひとりひとりから感じられるようになったんです。

 そういうなか、4年生が中心になって残り2つを獲りにいこうと言いました。改めて勝つんだという意識を全員で共有し、チームの状況的にも(佐藤)圭汰(4年)が戻ってきたので、全日本は優勝するんだという気持ちをみんなが持つようになってくれたんです」

 気持ちが変われば、練習への取り組みも変わる。

 出雲が終わってからの全体練習では、例年なら途中で離れる選手が数名出てくるが、今年はほとんどいなかった。

藤田監督の期待

 この光景を見て、藤田敦史監督は全日本への期待が膨らんだ。

「レギュラーメンバーだけではなく、他のメンバーもしっかりと練習をこなして、チームの雰囲気がすごく良くなりました。出雲で走れなかった桑田(駿介・2年)に対しても、山川が一緒に走りながら彼に寄り添っていました。みんな、“駒澤は負けちゃいけない”という思いがすごく強くなり、チームがひとつになってきた雰囲気を感じることができたんです」

【次ページ】 山川自身は「うしろの上原が怖かった」

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