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「大谷翔平のソロ本塁打はOK」本音ポツリ…中継に映らなかったブルージェイズの敗戦後ミーティングで「監督が10回繰り返した言葉」ドジャースを追い詰めた裏側
posted2025/11/05 11:00
「ソロ本塁打はOK」ブルージェイズはドジャース・大谷翔平にどう立ち向かったのか?
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四竈衛Mamoru Shikama
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JIJI PRESS
ウラジーミル・ゲレロJr.が涙を流しながらクラブハウスへ引き上げる傍らで、ジョン・シュナイダー監督は、マウンド上の山本由伸が仁王立ちになり、大谷翔平らがグラウンドで歓喜する光景を、目に焼き付けるかのように見つめていた。
1993年以来、32年ぶりの世界一には、ほんのわずかに届かなかったものの、ワールドシリーズに進出したブルージェイズは公式戦同様、随所で試合巧者ぶりを発揮し、昨季覇者のドジャースを最後まで追い詰めた。延長11回までもつれた第7戦で、最後は力尽きたとはいえ、総得点はブルージェイズの34点に対し、ドジャースは26点。1試合平均約3.7点に抑えた戦略は、来季以降、他のライバル球団にとっても参考になるような要素を含んでいた。
とりわけ、シュナイダー監督が「地球上でベストの選手」と表した大谷への対策は、今シリーズで最大の焦点だった。地区シリーズの4試合で打率5分6厘、0本塁打、9三振と、大谷を完璧に封じたフィリーズのように、先発、救援陣に絶対的な左腕投手がいるわけではない。救援左腕ではメーソン・フルーハティ、ブレンドン・リトル、エリック・ラウワーの3人がロースター入りしたものの、先発陣はすべて右腕投手でもあり、「大谷封じ」がシリーズの行方を左右することは言うまでもなかった。
「大谷は違う種類の生物」ブルージェイズ監督の警戒
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第1戦を前にシュナイダー監督は、直前のリーグ優勝決定シリーズ第4戦で3本塁打&10奪三振の快挙を成し遂げた大谷の存在感を、あらためて警戒した。
「明らかにエリートの才能。完全に違う種類の生物で、フィールド上であれだけのことができる人間はそう多くはない。もちろん、我々は注意するし、分かっている。我々はできる限り多くの違いが見えるようにトライしていくつもりだ」

