- #1
- #2
マスクの窓から野球を見ればBACK NUMBER
「仙台育英エースはなぜ指名漏れ?」「オリックスの“高校生押し”は後々、怖い」ベテラン野球記者が聞いた敏腕スカウトたちの“ドラフト大反省会”
text by

安倍昌彦Masahiko Abe
photograph byYuki Suenaga
posted2025/10/30 17:02
今年も様々なドラマを生んだドラフト会議。果たしてスカウトたちの「反省会」では何が語られたのか
今年の支配下ドラフト、大学生投手が21人指名されたのに対して高校生投手は8人の指名にとどまった。
高評価だった仙台育英エースはなぜ指名漏れ?
「仙台育英の吉川(陽大)なんか、評判良かったのに。どうしたの?」
「うーん……」
ADVERTISEMENT
「縛りか?」
「はい。それとスライダー、フォークは使えると思うんですけど、真っすぐのゾーンが高いんじゃないですかねぇ、僕が見るかぎりは。変化球のコントロールがいいから高校生は抑えてしまいますけど、真っすぐのゾーンがもうちょっと下がってくるといいんですけどね。やっぱり支配下で……ってことになると、ちょっときびしかったのかな」
「ボクは、サードの高田(庵冬)のほうが好きだったんですよ。仙台育英みたいな常勝チームで、最後まで自分のスタイル崩さないで、ブンブン振っていってね。最近、スローイングの安定している高校生サードも少なくなっている中で、あのバイタリティあふれるプレースタイルは魅力しかない。育成でもOKだったら、いの一番でもよかったんじゃないですか」
目の前の熱戦はいつの間にか5回を終えて、グラウンド整備の時間になっている。
3人の話のテーマは、それぞれの担当指名選手との「指名あいさつ」の日程や段取りについて……そちらのほうに移っていた。
つながれた縁を確認し合う大切な日。お日柄のよい日を。できるだけ大安、仏滅だけはNG。
春が過ぎ、夏が行き、秋がやって来て「ドラフト」が終わっても、スカウトたちの日常はまだまだあわただしく、そして、忙しい。

