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「やっぱり、泣いちゃうね…」全女の元プロレスラー・立野記代が涙の初告白…がんで亡くなったハーレー斉藤(享年48)が“最期に起こした奇跡”の話
posted2025/11/06 11:02
元プロレスラーの立野記代さんが、故・ハーレー斉藤さんへの思いを明かした
text by

伊藤雅奈子Kanako Ito
photograph by
L)東京スポーツ新聞社、R)Takuya Sugiyama
◆◆◆
立野記代さんのビジネスパートナーで、LLPW(LLPW-X)時代は5年後輩にあたったハーレー斉藤さんが、48歳の若さで逝去してまもなく9年がたつ。食道がんに勝てなかった。ここでは、いままで語られることがなかった“最期の一日”を振り返ってもらった。
立野 さいちゃん(斉藤さんの愛称)とは、(山崎)五紀がジャパン女子プロレスに移ったときに知りあった。私がまだ全女にいる15歳のときから、風間(ルミ、LLPW創業者)さんとお友達で、「六本木にみんなでいるからおいでよー」って誘われて、みんなで食事してて。そのなかにさいちゃんがいて、私が全女をやめてLLPWで復帰したときに後輩になった。
新生児くらい大きな筋腫
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――立野さんがLLPWで引退した10年に、斉藤さんの最初の病気が発覚したんですよね。
立野 そうだね。彼女は筋腫を2年くらい持ってて、大きすぎてうつ伏せになるのも苦しかったのに、病院でもらった薬を全部捨てちゃってて。で、私が2度目の入院のときにお見舞いに来てくれたら、先生から「すごい筋腫だね。手術したほうがいいよ。僕がしてあげるけれども、プロレスをやめるって誓わなければできない」って言われて。
――服の上から見てもわかるほど、お腹が張っていたということですか。
立野 そう、そう。近所では「妊娠してるんじゃないの?」って噂だったほどだから。背筋と腹筋が強かったから、そこまで“育てられた”のね。すっごい大きかったから、お腹の傷も大きくて、(除去した筋腫が)2.7キロもあったの! 新生児くらいで、2リットルのペットボトル2個分ぐらいで、大きいタッパにデレ~ンと入ってた。
――デカい! それが、立野さんが引退した10年ですね。
立野 同じ日に入院して、同じ日に手術して、同じ日に退院したの。同じ病室で2人部屋。先生に、「面倒くさいから一気にやって」って言ったら、奇跡的に2人部屋があいて、「めったにないよ、こんなこと」なんて言われた。ウケるでしょ。

