濃度・オブ・ザ・リングBACK NUMBER
「中卒でこの世界に入って…」「ドMなのかな(笑)」16歳でデビューした女子プロレスラーの美徳…稲葉ともかが何度も繰り返した“ある悔しさ”
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橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph byNorihiro Hashimoto
posted2025/10/29 11:03
JTOの1期生として団体を引っ張る女子プロレスラーの稲葉ともか
「私が有名になりたいと思うのは…」
来年2月23日には、故郷の豊川で『稲葉姉妹凱旋自主興行』を開催することになった。試合とプロモーション活動の合間を縫って何度も帰郷し「偉い人に頭を下げまくって」決定した大会だ。
愛知でのプロレス興行は、やはり名古屋が中心。会場選びにはリングの搬入などさまざまな条件もある。豊川“近辺”に使いやすい会場があったが「どうしても豊川市内で開催したくて」と稲葉。
「豊川の人たちに私たちのプロレスを見てほしいので。私が有名になりたいと思うのは、家族とか地元の人たちの自慢の存在になりたいからなんです」
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会場のキャパシティは1400人。後楽園ホールと同規模になる。JTOの興行としては最大級だ。
「それでも、ただやっただけで終わりたくない。黒字にしないと」
開催まで4カ月。自身のブランド力を高めるためには「インパクトのある結果を出したいです。JTOの中じゃなく、他団体で結果を出したい」。
いつも全体を考える“JTOの長女”だが、その部分で遠慮するつもりはまったくない。試合ぶりを見ても、稲葉ともかという名前はもっと知られるようになっていいはずだ。

