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大人のテニスを模索する
錦織圭の新たな課題。
~全豪3回戦進出の快挙の裏~
text by
秋山英宏Hidehiro Akiyama
photograph byHiromasa Mano
posted2011/02/10 06:00
全豪では1、2回戦と格上の相手をくだし、日本人男子46年ぶりの3回戦進出を果たした
この全豪での錦織圭のテーマは堅実さだった。今季から、アンドレ・アガシらを指導したブラッド・ギルバートがコーチについた。選手時代から策士として知られたギルバートは『ウイニング・アグリー』(直訳すれば、醜く勝つ)なる本も書いている。格好良く勝つ必要はない、格好悪く勝つべし、が彼の哲学だ。その薫陶を受けた錦織は、全豪で早速、2011年バージョンのテニスを披露した。アクロバティックな魅せるテニスは卒業し、安定した大人のテニスに脱皮しようとしたのである。
しかし、彼自身「いいプレーができていた」と語った1、2回戦のプレーは、見ていてピンと来なかった。持ち味である創造性が影を潜めていたからだ。