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ブラジル戦勝利のウラで「また積年の課題…FW問題だ」日本通ブラジル人記者がU-20W杯“早期敗退”にガッカリ「A代表に一番近いのはコスギだ」
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沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byEurasia Sport Images/Getty Images
posted2025/10/20 17:00
フランス戦に敗れてガク然とする梅木を起こそうとする市原
――前半26分、日本が左サイドを崩し、大関友翔がゴール前へパス。神田が受けようとしたが、フランスのCBともつれて倒れた。船越監督がPKを求めてリクエストしたが、主審は「二人が互いに引っ張り合った」として却下。この試合を中継したブラジルのインターネット・テレビの解説者は、「フランスのCBが神田の右腕を掴み、シャツを引っ張った。明らかなPK」とコメントした。
「僕もPKだったと思う。2人が互いに引っ張っていたのは事実だけど、フランスのCBが強く引っ張ったので、対抗上、神田も引っ張ったと認識した」
――前半は、中2日で戦うフランス選手に時折、疲れの色が見えた。ところが、後半に入るとフランスの動きが良くなり、チャンスを作り始めた。
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「前半、日本があれだけチャンスを潰すと、フランスは逆に勢いづく。元々、彼らはフィジカル能力が高いし、技術レベルも優れている。中2日とはいっても、GS最後のニューカレドニア戦であまり無理をしていないしね」
気持ちの面でも負けていなかったが
――後半、日本も高岡がGKと1対1となるなど決定機もあったが、またしてもオルメッタに止められた。0-0のまま延長に突入し、フランスが危険な攻撃を繰り出したが、市原、喜多壱也らが防いだ。
「全く、またしても、という感じだったね。一方で日本の守備陣は優れた状況判断と高い技術を発揮した。気持ちの点でも、負けていなかった」
――ところが延長後半14分、ゴール前でフランスのFWが梅木をかわそうとしてボールを浮かせ、これが梅木の右手に当たった。当初、主審は流したが、監督のリクエストによってフランスにPKが与えられた。
「以前なら、『故意に手で触ったわけではない』として流されていたプレー。しかし、近年はたとえ故意でなくても手に当たったらPKを取るようになっている。あの判定は仕方がない」
――梅木はハンドを避ける術はなかったと思いますか?
「相手がシュート体勢に入っていれば、両手を後ろへ回してハンドを避けるのが一般的だ。しかし、あれはシュートする場面ではなかったし、フランス選手がボールを浮かすと予測するのは困難だった。この試合で、梅木は守備でも攻撃でも非常に良いプレーをしていた。その彼が、皮肉にもPKを与えてしまった」
日本が反省すべき“失態”とは
――あのハンドの前に、右サイドで喜多と横山夢樹がフランスのFWに抜かれ、クロスを入れさせてしまった。
