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「テストは学年1位、卒業式で総代」11歳でデビューした“大学生レスラー”の今「同じ日に入門したのに…」妃南が語る“3姉妹の比較”本音

posted2025/10/18 11:00

 
「テストは学年1位、卒業式で総代」11歳でデビューした“大学生レスラー”の今「同じ日に入門したのに…」妃南が語る“3姉妹の比較”本音<Number Web> photograph by Norihiro Hashimoto

10月でデビュー7周年を迎えた女子プロレスラーの妃南

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橋本宗洋

橋本宗洋Norihiro Hashimoto

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Norihiro Hashimoto

 スターダムの女子プロレスラー・妃南(ひな)はこの春、“大学生チャンピオン”になった。

 2月の宇都宮大会で天咲光由を下し若手王座フューチャー・オブ・スターダムを獲得すると、4月からは大学に進学。新たなキャッチフレーズは“雲外蒼天JDファイター”である。

 雲外蒼天とは「雲を抜ければ青い空が広がる」、つまり困難を克服した先に素晴らしいことがあるという意味だ。自分に合う四字熟語を調べていた時、安藤頼孝リングアナに薦められたそうだ。

小学2年生でスターダムに入門

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 幼稚園の時に女子プロレスを見て、小学2年生でスターダム入門。2歳年上の姉・羽南(はなん)、双子の吏南(りな)と3姉妹でプロレスを始めた。2018年、11歳でのデビュー戦は「4分だけ先に生まれた」吏南との対戦だった。

 小学生で始まったキャリアは10月で7周年を迎えたが、実は高校生で終わってしまう可能性もあった。天咲とのフューチャー王座戦に負けたら「プロレスは終わりにしよう」と考えていたという。

「3回目の挑戦で、過去2回は羽南と吏南に負けてるんです。特に吏南がベルトを巻いて、どんどん防衛を重ねていくのは意識しました。自分では“勝てる”と思ったから挑戦したんです。でも負けてしまって、吏南はその試合でフューチャーの最多防衛記録を作った。

 それだけじゃなく(若手興行)NEW BLOODのタッグベルトも獲りましたよね。羽南も白いベルト(ワンダー・オブ・スターダム王座)に挑戦していい試合をしたり、タッグチャンピオンになったり。それに比べて自分は何やってるんだろう、3人で同じ日に入門したのに、なんでこんなに差がついちゃったのか。プロレスに向いてないのかな……そこまで考えちゃいましたね」

テストは学年1位、卒業式では総代を務めた

 妃南は3姉妹の中でも、特に学業に力を入れてきた。高校受験の時期はプロレスは欠場。高校時代のテストの成績はずっとトップだった。試験期間に試合が入ると、吏南が「あっち(妃南)はオールしたり大変そうですよ」と言っていた。

「土日に地方での試合があって、月曜に試験ということもありましたね。家に帰って勉強すると、どうしても徹夜になってしまって」

 中学までは勉強が得意ではなかったのだが、高校で最初のテストを頑張ったら学年3位に。

「勉強って、やった分だけ結果がついてくるんだってことが分かりました(笑)。それからはちゃんと授業を聞いて、試験期間はちゃんと勉強するようになりました」

 高3の二学期、期末テスト7教科は2位に30点差をつけてトップ。卒業式では総代を務めた。

「吏南は友だちがたくさんいて、卒業式でもみんなと写真を撮ったりしている。私はそんなに友だちが多くないからうらやましかったんですけど、でも総代に選ばれた。自分の高校時代を一つの形にできた気がして、嬉しかったです」

【次ページ】 「居心地のよさに甘えてたのかな」

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