「テストは学年1位、卒業式で総代」11歳でデビューした“大学生レスラー”の今「同じ日に入門したのに…」妃南が語る“3姉妹の比較”本音 

レスラーとしての本格化はこれから

　結果を出すことで見える世界がある。チャンピオンになって初めて知る自分もいる。9月のHANAKO戦に敗れベルトを失ったが、レスラーとして本格化するのはむしろこれからだろう。羽南、吏南もそうだったように、フューチャー王座陥落には“若手卒業”という意味がある。これから何を目指し、どんなレスラーになるか。期待は大きいが、妃南自身は慌てたくないようだ。

「若手の枠から抜けると、流れとして白いベルトを狙うというイメージがありますよね。もしくはタッグ、6人タッグのベルト。もちろん私もほしいです。といって、挑戦するだけで終わりたくないので。今の自分なら獲れると思えた時に挑戦表明したいですね。タッグ、6人タッグも“このメンバーでチャンピオンになりたい”と心から思えるチームを作ることが先だと思ってます」

　やはり真面目で慎重だ。大学生活の話を聞いている時など、取材相手がプロレスラーなのを忘れそうになる。レスラーらしい“ぶっ飛んだ”ところが感じられないのだ。

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「もっと自分から主張したりアピールしたほうがいいんですかね。フューチャーのベルトもアピールしたから獲れたんだし」

HANAKOに敗れフューチャーのベルトは失ったが、レスラーとしての本格化はこれからだ

大学受験もタイトル獲得も両立させて

　一方で、真面目で慎重だから着実に成長してきたということもあるだろう。妃南が一度何かを口にしたら、それは生半可な決意ではないということなのだ。

　それに忘れてはいけないのは、小学校低学年でプロレスを始め、高校で学年1位の成績をキープしながら大学受験とタイトル獲得を両立させたこと。

「プロレスもテストも一緒で、いったん上に行ったら絶対に下がりたくないんです。だから頑張るしかない」

　そんな表現ができるのは彼女だけだ。真面目で慎重で、だけどやっぱりいい意味で“普通”ではない人生。妃南というレスラーの面白さは、これからのキャリアでもっと見えてくる。