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オリンピックPRESSBACK NUMBER
「スタジアムが閉鎖されても構わない」“眠れる森の美女vs.ノートをめくるシスター”…世界陸上“豪雨の走高跳決勝”「テレビに映らなかった」激戦の全内幕
text by

涌井健策(Number編集部)Kensaku Wakui
photograph byAFLO
posted2025/09/27 11:05
東京世界陸上女子走高跳で金メダルを獲得したオリスラガース(右)と銅メダルのマフチク。試技中に降り出した雨が勝負にも影響を与えた
40分ほど経ったころ競技が再開されるが、雨脚が強まりまたしても中断。
男女のマイルリレーは豪雨の中でドラマチックなレースが展開されたが(特に男子のボツワナ、アメリカ、南アフリカの大接戦!)、この時にフィールドで行われていた女子走高跳と男子円盤投の決勝は完全に勝負に水を差されてしまった。
さらに30分後に再開されるも、各選手ともリズムを崩され、何度もウォームアップをしなおすことを強要されたせいか、ここから跳躍を成功したのは、土壇場の3回目で2m00を成功させたマリヤ・ジョジグ(ポーランド)だけ。
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つづく2m02の高さに挑戦したマフチク、オリスラガース、ジョジクはいずれも失敗に終わったため、試技数の差でオリスラガースが金メダルとなった。
試合後に聞いた「メダリストたちの言葉」
ちょっと尻すぼみの結末に、国立競技場の満員の観客からは拍手が起こるもやや寂しさが入り混じっていたことは否めない。
だが、金メダルに輝いたオリスラガースのミックスゾーンのコメントは、そんな自分たちメディアを含めた観る者の常識を超えるものだった。豪雨への恨みも、やや低調に終わった記録への後悔も、金メダルを獲ったこと興奮もなかったのだ。
<次回へつづく>

