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パ・リーグ「3割打者消滅」がほぼ確実…村林一輝、柳町達らの争いに見えるけど「異例の規定打席未達なのに首位打者」可能性のある選手とは
posted2025/09/25 11:53
初の首位打者獲得が近づく楽天・村林一輝。「戦後初の2割台」という状況にもなるかもしれない
text by

広尾晃Kou Hiroo
photograph by
Nanae Suzuki
筆者は8月半ばに今季NPBの「3割打者消滅」の可能性について取り上げた。この時はセ・リーグだったが、現時点ではパ・リーグでその可能性が高まっている。しかもその可能性はかなり高い。
セはカープ小園が3割キープできそうだが、パは…
まずは8月11日時点でのセ・リーグ打率5傑。
近本光司(神).291(436打127安)
中野拓夢(神).290(386打112安)
佐藤輝明(神).289(398打115安)
小園海斗(広).286(381打109安)
佐野恵太(デ).279(384打107安)
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この時点では阪神の3打者が3位までを占めているが、「.291」の近本が首位打者。1942年以来の3割打者消滅の恐れがあった。しかし9月23日時点ではこうなっている。
小園海斗(広).306(519打159安)
泉口友汰(巨).295(495打146安)
中野拓夢(神).285(515打147安)
森下翔太(神).278(533打148安)
近本光司(神).277(555打154安)
40日前に4位だった広島の小園は、以後、138打数50安打、率.362と高打率をマークした。規定打席の「443」はすでにクリアしている。広島の残り試合は「5」だ。残り打数を20と考えると、小園は3安打すれば.301(539打162安)となり3割をキープできる。小園は初の3割、広島の打者が首位打者になれば、2021年の鈴木誠也以来となる。
一方でパ・リーグである。8月11日の時点で打率5傑は以下の通りだった。
村林一輝(楽).309(353打109安)
周東佑京(ソ).302(291打88安)
太田椋(オ).294(299打88安)
柳町達(ソ).293(304打89安)
ネビン(西).290(369打107安)
楽天の村林とソフトバンクの周東が3割超え、打率は高いとは言えないが、3割打者は出ると考えられた。しかし9月23日時点では……。
村林一輝(楽).290(486打141安)
柳町達(ソ).288(413打119安)
周東佑京(ソ).286(384打110安)
中島大輔(楽).281(423打119安)
中川圭太(オ).281(409打115安)
3割打者が消滅している。この間、村林は133打数32安打、率.241と低迷した。しかし他の打者も追い上げることができずこの状況になっている。
3割をキープしていた西川龍馬が痛恨の今季絶望
この間に、安打を量産して「首位打者当確」を打っても良いような打者が出現した。オリックスの西川龍馬だ。

