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「昔はヤンチャなやつもいた…」東大OB“伝説の弁護士ボクサー”なぜ44歳の今も練習場に? 令和の東大生にボクシングで伝えたいこと
posted2025/09/18 11:04
今も青春時代を過ごした東大ボクシング部に顔を出している坂本尚志(44歳)。大学卒業にプロ転向し、現役弁護士ボクサーとしても話題を集めた
text by

杉園昌之Masayuki Sugizono
photograph by
Nanae Suzuki
ヒゲを生やし、Tシャツに短パンというラフな出立ち。東大ボクシング部の練習場で一風変わった雰囲気を放つ男、実は現役バリバリの弁護士だという。同部OBで、卒業後はプロ転向を果たした元“弁護士ボクサー”が令和の東大生に伝えたいことは? 【NumberWebインタビュー全3回の3回目/第1回、第2回も公開中】
東大ボクシング部のOBとして、後輩を指導するために毎週土曜日によく顔を出す現在44歳の坂本尚志は、かつて名前を知られたA級ボクサーだった。2011年、29歳で帝拳ジムからプロデビューし、“弁護士ボクサー”として話題を呼んだこともある。いまも新宿御苑駅近くに事務所を構え、開業弁護士として働いている。
道場にしみついた汗の匂いをかげば、福井県から上京し、とんがった東大生だった若かりし頃の記憶もよみがえる。
「良い思い出もあれば、苦い思い出もあります。すべてここで起きたことですから。僕が学生だった20年以上前に比べると、育ちの良い子が増えましたよ。昔はやんちゃなヤツもいたんですけどね。僕みたいに地方の県立高校から入ってきて(笑)。いまはみんなスマート」
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最高学府の試験をクリアしてきた面々である。ボクシング部の学生たちも例に漏れず、頭脳は明晰。考えて理解する能力には長けている。ただ、体で覚えるのは、得意な学生ばかりではないという。しかも、ほとんどがボクシングの未経験者。週1回の指導で教えられることは限られているが、約7年のプロキャリアから得た知見は生きている。


