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メジャーリーグPRESSBACK NUMBER
ドジャース現地ファン「オオタニは最高。ササキはまだ若いから…」現地初観戦ライターが見た“ドジャースタジアムの今”「大谷翔平ユニが圧倒的に多い」
text by

戸塚啓Kei Totsuka
photograph byMiki Sano
posted2025/09/14 17:04
ドジャースファンのロバートさんと妹のアレックスさん。大谷翔平のボブルヘッドを手にこの笑顔
世界のどのスタジアムとも違う、特別な光景
ゲートを抜けて、スタンドへ向かう。
グラウンドを見下ろす。
その瞬間の感情を、僕はうまく表現することができない。
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日ごろから取材をする機会の多いサッカーでは、世界の有名なスタジアムをほぼすべて訪れている。ヨーロッパならウェンブリー(ロンドン)、スタッド・ド・フランス(サン=ドニ)、オリンピコ(ローマ)、サン・シーロ(ミラノ)、カンプ・ノウ(バルセロナ)、サンティアゴ・ベルナベウ(マドリード)、オリンピアシュタディオン(ベルリン)、ルジニキ(モスクワ)、ヨハン・クライフ・アレナ(アムステルダム)、エスタディオ・ド・ドラゴン(ポルト)などだ。これらのスタジアムはサッカーだけでなく、世界陸上などでも使われている。
南米ならマラカナン(リオ・デ・ジャネイロ)やモヌメンタル(ブエノスアイレス)を訪れた。いずれもサッカーW杯の決勝戦の会場となったスタジアムだ。アフリカならサッカーシティ(ヨハネスブルグ)、アジアならアザディ(テヘラン)、キング・ファハド国際(リヤド)、ハリファ国際(ドーハ)、国家体育場(北京)、クリケットグラウンド(メルボルン)などで、サッカーやラグビーを観てきた。
日本にはないスケールの大きさ、近代的な設備、鮮やかなビジョンなどを備えたスタジアムに、世界のあちらこちらで触れてきたつもりだ。そのどれとも、ドジャースタジアムは違った。
ドジャースのゲームをテレビで観戦していて、このスタジアムに親しみを覚えていることを前提として言えば、独特な雰囲気を感じた。席に座っている観客がまばらでも、うっすらとしたオーラを感じる。勝者がまとうオーラである。
1962年のスタジアム開場からこれまで、ドジャースはこのスタジアムで数多くの勝利を積み上げてきた。チーム史に名を残すレジェンドが、メモリアルな瞬間を迎えた。今年7月にも、クレイトン・カーショウが通算3000奪三振を達成している。
チームと個人が打ち立ててきた偉大なる記録は、このスタジアムで試合を観る者の記憶に刻まれ、世代を超えて語り継がれていく。ドジャースの選手たちとファンにとっては支えになり、対戦相手としてドジャースタジアムにやってくる選手たちにとっては、恐れにつながる種類の記憶だ。

