野球のぼせもんBACK NUMBER

強すぎた阪神優勝のウラで…「どっちが勝つ?」日本ハムvsソフトバンク“じつは真逆だった”新庄剛志と小久保裕紀の采配「近藤健介に“1試合3敬遠”も」 

text by

田尻耕太郎

田尻耕太郎Kotaro Tajiri

PROFILE

photograph bySankei Shimbun

posted2025/09/09 06:00

強すぎた阪神優勝のウラで…「どっちが勝つ?」日本ハムvsソフトバンク“じつは真逆だった”新庄剛志と小久保裕紀の采配「近藤健介に“1試合3敬遠”も」<Number Web> photograph by Sankei Shimbun

パ・リーグの優勝戦線は大詰めに。ソフトバンクと日本ハム、今季の激闘を振り返る

「たとえば山川を4番から外す、スタメンから外す決断も簡単ではなかった。数日、数週間考えたうえで、ここがリミットかなと設定しながらやってきた。キャッチャーにしても本来は正捕手を決めて(週に)4試合、新しくチャレンジさせる捕手を2試合くらいのプランだったけど毎試合キャッチャーが違う戦いになった時期もあった。理想は持ちながらも目の前の現実を見て、勝つ確率が高いと思うことを決断してチームをつくってきました。その中で課題も出てくるが、その都度埋めて消化していけばいいと考えてきた」

 また、小久保監督はこのようなことも話していた。

「戦い方が難しいとはあまり感じなかった。居ないものは居ないので。いつも自分に言い聞かせたのは、(育成選手を含めて)120人を預かる大所帯の一軍監督。そのホークスの中では今(一軍で)預かっている31人が最強のメンバーだと。どれだけ主力が怪我をしても、今選んでいるメンバーが最強だと言い聞かせた。その中で(相手)投手に対して、誰が対応できそうなのかということでスタメンを決めていった」

「最後までもつれる」小久保監督が断言

ADVERTISEMENT

 最終盤の9月になっても近藤健介がコンディションに不安を抱え、山川の状態が上がらない中、同4日のオリックス戦ではプロ12年目の嶺井博希を「4番指名打者」で起用したり、7日の楽天戦でも柳町達をプロ初の4番に据えたりするなど大胆かつ柔軟な決断を示した。

 9月第1週は両チームが「オリックス戦」でくっきり明暗が分かれた。ソフトバンクは2~4日に3連勝。一方で日本ハムは5~7日に3タテを喫してしまった。首位ソフトバンクと2位日本ハムのゲーム差は4とやや開き、ソフトバンクの優勝マジックは「15」となっている。

 ただ、小久保監督の言葉から緊張感が消えることはない。

「最後まで分からない。最後までもつれると自分の中で決めている」

 2強の直接対決は、9月9日(エスコンフィールドHOKKAIDO)、同18日(みずほPayPayドーム)、同30日(みずほPayPayドーム)の残り3試合。変則日程で“飛び石”での対戦となるため、両チームとも勝つ確率が最も高いと思われる投手を惜しみなく投入するなど激闘必至だ。

 9日の両先発はソフトバンクがリバン・モイネロ、日本ハムが伊藤大海。両エースのマッチアップは今季6度目にもなる。いかに両チームがガチンコで激突しているか、この数を見るだけでも明白だ。

関連記事

BACK 1 2 3
#福岡ソフトバンクホークス
#小久保裕紀
#北海道日本ハムファイターズ
#近藤健介
#新庄剛志
#清宮幸太郎
#フランミル・レイエス
#山川穂高
#藤井皓哉
#松本裕樹
#孫易磊

プロ野球の前後の記事

ページトップ