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「勝ってこそ意味がある」中日の“藤浪対策”「先発オーダーに左打者8人」より波紋を呼んだ井上一樹監督の“ある采配”〈因縁試合の舞台裏〉
posted2025/09/03 11:15
ピンチに中日打線を抑えて吠える藤浪晋太郎
text by

小西斗真Toma Konishi
photograph by
JIJI PRESS
中日の1敗が物議を醸している。8月31日のDeNA戦(横浜)である。4位の広島がヤクルトに敗れたため、結果的に勝っていれば3位に浮上していた。しかし、先発した藤浪晋太郎の前に7回を4安打、9三振で無得点に抑えられ、リリーフも打ち崩せずに連勝は4でストップした。
なぜ1人だけ右打者が?
先発メンバーが発表されると、メディアは速報で伝えた。左打者が8人並んでいたからだ。もっとも、これは驚くことではなかった。今シーズン藤浪と対戦するのは2度目。前回(8月17日、バンテリンドーム)は、右腕の日本球界復帰初登板で、中日は9人全員左打者を並べたからだ。今回、7番のクリスチャン・ロドリゲスだけが右打者だったのは、左の遊撃手がいなかったからである。
前回の試合では藤浪から5回で1点しか取れなかったが、中盤以降にもつれたため藤浪には勝敗はつかず。延長戦で競り負けている。つまり、今回も中日が左打者を並べてくることは、多くのファンが予想していたことでもあった。
「けが人を出したくない」首脳陣の苦悩
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前回も今回も、井上一樹監督ら首脳陣はその意図を丁寧に説明している。
「俺もけが人を出したくない。ベストオーダーでは臨めない」(17日)
「他の監督さんもそうするんじゃないかな」(同)
「リスクを考えたときにあと二十何試合残っている」(31日)

