甲子園の風BACK NUMBER
「コウシエンは日本のU-18スーパートーナメント」ニッポン高校野球に憧れる“後進国”球児・関係者「いい意味でロボ」「酷暑のプレーは…」
text by

弓削高志Takashi Yuge
photograph byHideki Sugiyama
posted2025/09/01 17:00
1世紀超の歴史を持つ夏の甲子園と高校野球。この競技においては“後進国”であるイタリアの野球人からはどう見えるか
イタリア球界の育成関係者にしてみれば、1世紀を越える歴史をもち、4万人超の観客が巨大スタジアムを埋め尽くす上に全試合が地上波で生中継される「コウシエン」なる代物はファンタジーであり、憧憬の対象でしかない。想像の域をはるかに超えている。
真夏の炎天下での大会開催の是非を問うても、日本の高湿度や過酷な日程などの実感に乏しいことは確かだろう。
“母は日本人”イタリア球児に聞く高校野球評
ならば、日本の夏を知るイタリア球児に話を聞かねばなるまい。
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「やはり、この時期にプレーするのは難しいと思います」
セリエAクラブ「フィオレンティーナ・ベースボール」のU-18チームの主戦ピッチャー、ルポ拓真に話を聞いたのは、沖縄尚学と日大三高による決勝戦の翌日だった。
イタリア人の父と日本人の母を持つ彼は、フィレンツェ市内の高校に通う16歳で、昨年のU-15世界選手権ではアッズーリ(※イタリア代表の愛称)のユニフォームで快投した。
イタリア球界で育つ彼に、日本の高校野球はどう映るのか。〈第2回へつづく〉


