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18歳“破格の新人女子レスラー”「偏見にも勝たなきゃいけない」山岡聖怜が明かす“嫉妬した相手”とは?「オーラがまたムカつくんです(笑)」 

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橋本宗洋

橋本宗洋Norihiro Hashimoto

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photograph byNorihiro Hashimoto

posted2025/08/30 17:24

18歳“破格の新人女子レスラー”「偏見にも勝たなきゃいけない」山岡聖怜が明かす“嫉妬した相手”とは?「オーラがまたムカつくんです(笑)」<Number Web> photograph by Norihiro Hashimoto

今年1月にデビューした新人女子レスラーの山岡聖怜(18歳)

「偏見にも勝たなきゃいけない」

 山岡にとっては、初めての他団体参戦だった。マリーゴールド対マーベラスの5vs5団体戦。欠場中の暁がセコンドについているのもフラストレーションになった。

「もう会場にいるんじゃないですか。だったら試合に出てくればいいのに。マジで腹立ちました」

 どうしても暁のことが気になってしまうのだ。

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 対抗戦は観客も熱くなる。“敵”に対してきついヤジを飛ばす者もいる。アウェーならなおさら。山岡も風当たりの強さを感じた。

 マリーゴールドの熱心なファンなら、山岡が試行錯誤しながら頑張っていることを知っている。しかし他団体のファンやSNSで“情報”だけを見ている者には、山岡は「新人なのに特別扱いされている」ように映るのだ。

 確かに、デビュー直後のタイトルマッチなど破格の扱いだ。それだけのポテンシャルがあるからチャンスが来るし、大きな勝負を任せられることは試練でもあるのだが、そのことを慮ってくれる人間ばかりではない。

「風当たりはめちゃくちゃ感じますね。だからこそ、試合でいいところを見せたい。自分でも覚悟はしてるんです。偏見にも勝たなきゃいけないって」

「団体に推されてるんだとしたら…」

 とはいえ、18歳の若者が偏見や批判に晒される辛さは想像するにあまりある。山岡も「もちろんきついです」と言う。

「でも、それを乗り越えてこその山岡聖怜だと思ってるので。団体に推されてるんだとしたら、それにしっかり乗っかるくらいでいい」

 感情を見せるのは大事なことだし普段はよく泣く。でもリングでは泣かないと決めた。悔しい思いを何度もして、それでもどこか芯の太さが山岡にはある。

 プロレスとレスリングの違いに戸惑いながら、レスリングの練習は続けてきた。相手を投げる、組み伏せるといった能力はプロレスでも根本をなすものだし、体力や瞬発力を鍛えるのにも効果的だと考えているからだ。

 誰に何を言われても、自分のキャリアは自分のものでしかない。スーパールーキーと呼ばれるなら、本当にそうなってやろうという自負。それこそが山岡の最大の強みなのだ。

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