甲子園の風BACK NUMBER

「京都国際がオリックスの曲を…なぜ?」「高知中央アルプスが“よさこい会場”に」甲子園で話題“ビックリ応援”に密着…母が息子に絶叫「愛してるー!」 

text by

梅津有希子

梅津有希子Yukiko Umetsu

PROFILE

photograph byYukiko Umetsu

posted2025/08/19 06:02

「京都国際がオリックスの曲を…なぜ?」「高知中央アルプスが“よさこい会場”に」甲子園で話題“ビックリ応援”に密着…母が息子に絶叫「愛してるー!」<Number Web> photograph by Yukiko Umetsu

写真は共学化で誕生した横浜高校のチアリーディング部。今夏の甲子園、全49校のアルプスを取材した記者の印象に残った応援とは?

 せっかくオリジナル曲を作っても、野球部が気に入らないと試合中も使われないし、後世にも残らない。「5曲作ったオリジナル曲が、10年後には1曲しか残っていない」というケースも多々見てきた。

 野球部が愛する『KAISEI☆GONG』は、これからも長く歌い継がれ、同校を代表する応援曲となるに違いない。

母から息子に「愛してるー!」思わずもらい泣き

 拓大紅陵(千葉)のオリジナル曲『チャンス紅陵』が、全国で大ブレイク中。仙台育英(宮城)や金足農業(秋田)、松商学園(長野)、佐賀北(佐賀)など多くの学校が応援に使っていた。

ADVERTISEMENT

 拓大紅陵吹奏楽部顧問・吹田正人氏が1986年に作った曲で、千葉県内では非常に多くの学校が演奏。千葉大会では両スタンドから同曲が流れることも多く、千葉のご当地応援曲といえるほど普及している。群馬や埼玉など、関東近郊でもよく使われているが、以前神宮球場の東東京大会で聴いた時には、「江戸川を越え、荒川を越え、さらに隅田川も越え、ついに都内まで進出してきたか」と思ったものだが、TikTokはさらなる距離を軽々と飛び越え、あっという間に全国へと波及。

 本家の紅陵では言わないが、「愛してるー!」と叫ぶアレンジバージョンがTikTokで拡散。アルプススタンドで取材していても、「うちはみんな仲がいいので、打席に立つ仲間に『愛してるー!』と大声で叫べるところがいい」(仙台育英)など、とにかく皆「愛してるー!」と叫びたいのだ。

 宮崎商(宮崎)で応援をまとめていた岩瀬敬三郎君(2年)は、「メロディもシンプルで覚えやすく、一般生徒や初めて応援に参加する方もすぐ歌えるところもいいなと思います」と、チャンス紅陵の魅力を説明してくれた。

 明秀日立(茨城)アルプスでは、選手の母親がスタンド全体から自分の息子に向けて「愛してるー!」と叫ぶ声を聞いて涙している姿が印象的で、母と息子のこれまでの道のりに想いを馳せ、思わずもらい泣きしてしまった。

津田学園アルプスに駆けつけた助っ人中学生軍団

 津田学園中学・高校(三重)の吹奏楽部約40人に加え、近隣の中学校3校(光陵、明正、東員)の吹奏楽部が助っ人に参戦。高校生に負けないフレッシュなサウンドで選手たちを後押しした。

【次ページ】 京都国際の“挫折”に寄り添う「オリックスの応援歌」

BACK 1 2 3 4 NEXT
#小松大谷高校
#大谷翔平
#開星高校
#拓大紅陵高校
#仙台育英高校
#明秀日立高校
#津田学園高校
#京都国際高校
#高知中央高校
#沖縄尚学高校
#関東第一高校
#横浜高校

高校野球の前後の記事

ページトップ