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「新日本プロレス愛では劣るかもしれない。でも…」G1で“異彩を放つ”竹下幸之介の魅力とは?「明日も明後日も1年後も10年後も、オレが一番強い」
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原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2025/08/13 11:05
フェイスロックで海野翔太を攻める“The Alpha”こと竹下幸之介(KONOSUKE TAKESHITA)。今、一番輝いている男だ
「竹下幸之介が光っていたG1」その魅力とは?
もともと、竹下とゲイブのマッチレースという予感のG1だった。
竹下は異彩を放っていた。星取りはともかく、竹下がひとり秀でていた。その力強い余裕のファイトスタイルは「竹下の試合が見たい」と感じさせた。
リーグ戦中、筆者が生で見た竹下のシングルマッチはゲイブ、エル・ファンタズモ、鷹木信悟、海野の4試合だった。その内訳は2勝2敗だったが、竹下は光っていた。
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「The Alpha」の名の通り、リングで躍動していた。
竹下の魅力は何といっても力強さだ。
「竹下の壁」と呼ばれるボストンクラブ。強烈なエルボースマッシュ。ビッグブーツ・キック。多彩なジャーマンスープレックス。ジャンピングニー。「竹下ライン」を含むラリアット。旋回式のブルー・サンダーボム。「Plus Ultra」と呼ばれるチキンウィングの絞め技。そして圧巻のランニングニーの「ワガママ」だ。
その力強さに驚きの声が上がる。
開幕前、竹下はメッセージを送って、ゲイブとフェイス・オフした。
「本当に、心の底から楽しみやな。『G1 CLIMAX』の頂上から見る景色は、どれだけ美しいか、見るのが楽しみだ。それを拒もうとする者は、叩き潰す。まずは、オマエやで、ゲイブ。強くて、すごくて、おもしれえプロレスは、オレが見せてやるからよ。2025年の夏も、KONOSUKE TAKESHITAに、夢中になれ。それがオレからのメッセージだ。フロム、ジ・アルファ」
そして、開幕戦でゲイブを「気持ちよさそうに」眠らせた竹下は言った。
「この一戦限りでお前との物語は最初で最後にするつもりだったけど、どうやらまだまだやり足りねえみてえだな。いいよ、決勝で会おうぜ。オレと一緒にまだ見たことのない景色見に行こうや」
でも、その決勝はかなわなくなってしまった。
鷹木信悟とは互いにリスペクトのこもった試合ができた。




