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「新日本プロレス愛では劣るかもしれない。でも…」G1で“異彩を放つ”竹下幸之介の魅力とは?「明日も明後日も1年後も10年後も、オレが一番強い」
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原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2025/08/13 11:05
フェイスロックで海野翔太を攻める“The Alpha”こと竹下幸之介(KONOSUKE TAKESHITA)。今、一番輝いている男だ
「明日も明後日も1年後も10年後も、オレが一番強い」
開幕前、「竹下さんにだけは負けたくないです」と突っかかってきた海野に対して、竹下はこんなことを口にしていた。
「やれ所属なのに巡業回ってないとか、新日本愛がないとか、スケールがちっちぇえわ。オレはたしかに新日本プロレス愛ではここにいる人たちに劣るかもしれない。でも、プロレスへの愛は誰よりも強いよ。まだ誰も成し遂げていないことをやるために、今年も『G1 CLIMAX』に立つから、海野選手に一つ言えるとしたら、竹下が海野に負ける可能性というのは、1パーセントもない。0パーセント。それはなぜか、一つもオレの方が劣っていることがないから」
確かに海野は少し良くなってきたけれど、竹下に勝つことはできないと筆者は思った。
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だが、8月8日の横浜武道館で海野が竹下に勝った。まさかの敗戦。これが竹下に熱い火をともした。竹下は優勝に向かう。あとは自力で勝ち続ければいいのだから。
「オレはどんなことがあろうとも強く生きる、強くあり続ける。それがKONOSUKE TAKESHITAのプロレスやから。強く生きるということは、明日に向かって生きるということ。つまり明日も明後日も1年後も10年後も、オレが一番強いって言ってんのや」
この言葉が竹下の意思だ。
竹下はたとえBブロック3位という形でも、有明アリーナの優勝決定戦まで勝ち上がり、その頂点に立つことを約束した。
そしてファンに言うだろう。
「今年のG1面白かっただろう、プロレスおもしれえだろう」と。


