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野球クロスロードBACK NUMBER
中学時代は「大阪桐蔭や履正社と戦う自信がなくて…」甲子園で故郷・大阪代表を撃破…全チーム唯一の「エースで4番で主将」が香川へ進学を決めたワケ
text by

田口元義Genki Taguchi
photograph byJIJI PRESS
posted2025/08/13 11:04
尽誠学園でエース、4番、主将を務める広瀬賢汰。かつては尻込みしていた地元・大阪の代表校を見事に圧倒して見せた
広瀬がキャプテンを務めることで、チーム全体が俯瞰して物事を考え、実行できるようになった。3年生となった春になると、練習試合などで「今日はこういうゲームをしていこう」と意思疎通を図り、夏に向かうにつれその再現性が高くなっていく。広瀬と西村が「勝ち癖がついた」と口を揃えるように、香川大会ではノーシードながら9年ぶりに甲子園出場を決められたのは必然でもあった。
絶滅危惧種の「エースで4番、しかもキャプテン」
西村は自身が17年に監督となってから、エースで4番のキャプテンは「記憶にない」と言い、全幅の信頼を寄せる。
「もう、THEキャプテンですよね」
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昭和から平成にかけては当たり前のようにいた、絶対的なチームのアイコン。令和の時代となったこの夏、広瀬は出場49チームで唯一無二の存在として甲子園に立った。そして、初戦で東大阪大柏原を相手に「守備から少ないチャンスをものにして、ロースコアで勝とう」とまとまったチームは3-0で有言実行を遂げ、大阪代表に18年ぶりの屈辱を味わわせたのである。
大阪から香川にやってきた、尽誠学園のエースで4番のキャプテン。
「日本一を掲げているので、まず1勝することができて嬉しいです」
夏の主役へ。大きすぎる弾みとなった。

