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中学時代は「大阪桐蔭や履正社と戦う自信がなくて…」甲子園で故郷・大阪代表を撃破…全チーム唯一の「エースで4番で主将」が香川へ進学を決めたワケ 

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田口元義

田口元義Genki Taguchi

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photograph byJIJI PRESS

posted2025/08/13 11:04

中学時代は「大阪桐蔭や履正社と戦う自信がなくて…」甲子園で故郷・大阪代表を撃破…全チーム唯一の「エースで4番で主将」が香川へ進学を決めたワケ<Number Web> photograph by JIJI PRESS

尽誠学園でエース、4番、主将を務める広瀬賢汰。かつては尻込みしていた地元・大阪の代表校を見事に圧倒して見せた

なぜ地元・大阪から香川に進学したのか?

 強豪ひしめく地元の高校に進学しなかった理由について、広瀬が当時を思い出す。

「中学時代の実力を考えると、大阪桐蔭や履正社と戦える自信がありませんでした」

 この時に所属していたチームの監督が尽誠学園のOBで、話を聞くうちに努力次第では甲子園に出場できると思えた。なにより「寮生活で自立し、自分を磨きたかった」という願望も広瀬を後押しした。

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 広瀬はこれまでキャプテンの経験がなかったという。「性格的にはキャプテンタイプではない」と心象を明かす監督の西村は、彼にリーダーシップが備わる上でのバックボーンとなった要素について、「1年生からの積み重ねが全て」と太鼓判を押す。

 昨年夏の新チーム始動時に監督と話し合い、最終的に自らの意思でキャプテンになることを決意した広瀬はピッチャーである。

 野手とは別メニューの練習が多く、試合になれば孤独なマウンドで奮闘を期待されるポジションだけに、心身の負担を軽減する意味からキャプテンになるケースは少ない。

 それでも広瀬は、大役を引き受けた。

「キャプテンになって最初のほうは忙しかったけど、みんなと一緒にできる練習時間が増えていったんで楽しかったです」

【次ページ】 チームメイトは「みんなをやる気にさせてくれる」

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