「打たれると…ちょっと慰めてくれます」DeNA中川虎大と2人の“頼れる先輩”森原康平・三嶋一輝のイイ関係「尊敬してますが、負けられない」 

「正直、怪我をしてもしなくても、投げられなくなる限界まで投げたいという気持ちなんです。多少のことなら無理をしてでもやりたい。やりたくてもできない人はいますし、一軍で投げることができない仲間もいます。そのなかで自分はチャンスをもらっているので、自分の居場所を作るためにも、毎日しっかりと腕を振っていきたいですね」

残り試合全部投げるつもりで

　昨季は8月下旬に右肘のクリーニング手術をし、ポストシーズンに登板することはできなかった。5～6球で肩ができるという特性を持っているだけに、これからの苦しい時期、登板機会が増える可能性も高い。果たしてストロングフィニッシュするために、中川はなにを思うのか。

「現実的ではないのでしょうが自分としては、残り試合全部投げる気持ちでいます。球界全体を見てもピッチャーがしっかりしないと勝利に結びつかない状況だと思いますし、リリーフ陣全員がそう思っているはずです。投げる試合数は自分ではコントロールできませんが、ブルペンでは投げる数はコントロールできるので、自分の状況を把握しながらいつでも行けるような準備をしたい。いかに波を少なく、自分のパフォーマンスを出していくかにフォーカスしたいと思います」

今季残り試合全て投げる、という意気込みだ　©NumberWeb

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　先ほど三嶋の話でも出たように、中川は高卒育成上がりで現在の地位を掴んでいる。また同様に育成期間こそ違うが、宮城滝太も似たような経緯でリリーフの中軸としてブルペンを支えている。この両者が奮闘している意義は、チームにとって大きい。

「1個下の滝太と、一緒に頑張りたいという気持ちは強いですね」

　中川は強く頷いて言った。ブルペンに新しい風は確実に吹いている。中川を中心とした若手をはじめ、中堅、ベテランが、いかに一体感を持って勝負の秋に向かっていくのか刮目したい。

〈全2回の2回目／はじめから読む〉