- #1
- #2
ハマ街ダイアリーBACK NUMBER
「打たれると…ちょっと慰めてくれます」DeNA中川虎大と2人の“頼れる先輩”森原康平・三嶋一輝のイイ関係「尊敬してますが、負けられない」
posted2025/08/11 11:03
野球人生で3回もの手術を受けて育成から這い上がってきた中川虎大。彼を支えるブルペンの先輩たちとの絆とは
text by

石塚隆Takashi Ishizuka
photograph by
SANKEI SHIMBUN
万全でなくてもいかに相手を抑えるかに細心の注意を払い、成長の日々を過ごしている中川虎大。日ごろからウェイト・トレーニングに熱心に取り組み、またトレーナーと可動域について話し、自分の体と真摯に向き合う。球速が出ていないと言っていたが、ここに来て150キロを超えるストレートも出るようになり状態は確実に上がってきた。
そしてどんな場面であってもコールされれば悠然としてマウンドに立つ。果たしてメンタル面の部分で変化はあるのだろうか。
「いや、そこは特に変化はないです。ただ自分が求められる状況は、イニング頭や途中など、常に変わりますしタイミングも違う。そこは以前よりも明確に自分でも理解しているつもりです」
ブレのないメンタル
ADVERTISEMENT
役割がわかっているから、解像度は高まる。だからこそメンタルのブレはない。
「基本的に昨年と同じ役割ですし、上から下まで、クローザー以外はすべて経験しています。だからしんどさっていうのはもう理解していますし、僕がしっかりすればチームが勝つチャンスが増える。負けている試合はもちろん、勝っている試合でも、全部行くつもりですよ」
力強い口調で中川は言った。思えば、ピンチを迎えたときの顔色やマウンド上での所作振る舞いは、昨年とは明らかに違う落ち着きが感じられる。誇らしげに中川は言うのだ。
「僅差の場面で、いかに僕がゼロで帰って来られるのか、イニング途中で行ってランナーを還さず戻って来られるのか。試合を潰してしまう可能性もあるけど、チームに勢いをつけることもできる。そういう意味では、とてもやりがいは感じていますね」
リリーフとしての矜持。そう語る中川からはブルペンの明るい未来が感じられた。

