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ハマ街ダイアリーBACK NUMBER
「打たれると…ちょっと慰めてくれます」DeNA中川虎大と2人の“頼れる先輩”森原康平・三嶋一輝のイイ関係「尊敬してますが、負けられない」
text by

石塚隆Takashi Ishizuka
photograph bySANKEI SHIMBUN
posted2025/08/11 11:03
野球人生で3回もの手術を受けて育成から這い上がってきた中川虎大。彼を支えるブルペンの先輩たちとの絆とは
「入団した当時から、力のある選手だなって思っていたんです。素直な性格だし、人とは違うものを持っているのはすぐわかりました。でも高卒で入ってきて、最初は育成という立場。苦しい状況であるのはわかっていたので、変に自信を無くてほしくないと思って『こうすればいいんじゃないか』『こう考えればいいと思うよって』って話はずっとしてきましたね」
育成から這い上がった中川や宮城の頑張りが…
三嶋は柔らかく穏やかな表情のままつづける。
「(宮城)滝太もそうですけど、下から這い上がった彼らが頑張っているから、今のリリーフ陣が保てているんだと思いますよ。本当、自分も若いときもがいた経験があるので、少しでも若い子たちには前向きでポジティブでいてほしいなって」
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そして、負けず嫌いが顔をのぞかせる“三嶋節”も欠かさない。
「いろんな場面で投げているし、自信もつけてきてたいしたもんだなって思うんですよ。今はもう僕とは立場が違う。いずれこういう日が来るとは思っていたけど、僕自身しっかりね、何ていうのか『三嶋さんが調子上げてきたから嫌だな』って思われるようにしないといけない。相乗効果というか、ブルペン全体のことを考えても僕も頑張らなければいけないなって」
尊敬はしていても負けられない
現在、ブルペンには森原も三嶋もおり、若きリリーバーにとっては心強い状況ではあるが、中川本人はそこに甘えてはならないという思いも強い。
「お二人には本当にお世話になっているし、もちろん尊敬はしていますが、それはそれとしてやっぱり負けられませんから」
好戦的ないい表情を見せ、中川は言った。
長い人生、プロ野球選手として輝ける期間は限られている。中川はだからこそ、必死に毎日を生きたいと考えている。

