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マスクの窓から野球を見ればBACK NUMBER
“偏差値70”超進学校の快腕、センバツ優勝“横浜高も手を焼く”剛腕サウスポー…ベテラン記者が選ぶ高校野球「甲子園不出場」の逸材たち
posted2025/08/06 11:03
U18日本代表候補にも選ばれた学法石川のキャッチャー・大栄利哉。惜しくも県予選で敗れ、甲子園の出場はならなかった
text by

安倍昌彦Masahiko Abe
photograph by
Sankei Shimbun
注目の組み合わせが発表されて、いよいよ甲子園大会の開幕である。全国で今年は3396チームが地方大会を戦い、その中から勝ち上がった49チームが甲子園にやって来た。つまり、3347チームは地方大会の中で敗れたわけである。およそ99%が敗れ去る過酷な戦いの中に、「この選手のプレーは甲子園の舞台で披露してほしかったな」と今でも残念に思う存在が何人もいる。
見えないほどのスピードボールで、あるいはとんでもない飛距離の長打力で私たちを驚かせてくれた選手たちもさることながら、そうでなくともこちらの印象に残った選手も多い。そんな「甲子園で見たかった」選手を思い起こしてみたい。《NumberWebレポート全2回の2回目/最初から読む》
「甲子園で見たかった…」強肩捕手たち
「たぶん甲子園で見られるんじゃないかな」と勝手に思っていて、ふたを開けたら叶わなかった。それが「強肩捕手」たちだ。
星稜高・能美誠也(3年・176cm75kg・右投左打)、学法石川高・大栄利哉(3年・177cm84kg・右投左打)、富島高・岡村了樹(3年・172cm77kg・右投右打)……いずれもなんの偶然か、それぞれの県大会の準決勝で1点差の惜敗で姿を消した。この先の野球人生でも、なんらかの「縁」で結ばれた3捕手なのかもしれない。
私の中の「強肩捕手」の定義はいたってシンプル。「投手に返球するのと同じフォームで、二塁ベース上にポンとボールを置けること」だ。
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この夏、そこを満たした数少ない捕手たちが彼らだ。

