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マスクの窓から野球を見ればBACK NUMBER
“偏差値70”超進学校の快腕、センバツ優勝“横浜高も手を焼く”剛腕サウスポー…ベテラン記者が選ぶ高校野球「甲子園不出場」の逸材たち
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安倍昌彦Masahiko Abe
photograph bySankei Shimbun
posted2025/08/06 11:03
U18日本代表候補にも選ばれた学法石川のキャッチャー・大栄利哉。惜しくも県予選で敗れ、甲子園の出場はならなかった
愛知同様、「甲子園難関県」の兵庫では、小野高がベスト4に進出。東大野球部でもOBがプレーしていた姫路西高にも、県下屈指の快腕と評された佐野達哉投手(3年・179cm78kg・右投右打)がいた。
神奈川の川和高は「横浜高でも手を焼くだろう」といわれた剛腕サウスポー・浜岡蒼太投手(3年・177cm87kg・左投左打)の存在が大きな話題になっていたが、私は川和高を「チーム全体」として、甲子園の舞台でファンの皆さんに見てほしいと感じた。
試合前、相手チームのキャッチボールを、平野太一監督が外野のフェンスの所からジッと見つめる。選手たちも、自分たちのアップをしながら、視線は相手チームの練習ぶりに注がれる。
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シートノックーー川和高の内野手たちの捕球姿勢と一塁送球、外野手からの返球が皆、低い。高く抜けた送球は、相手に余計にベースを与えることになる。
有用な工夫に見えた「進学校らしさ」
何より、「いいな」と思ったのは、守備位置についた外野手たちだ。
それぞれに足を伸ばしながら、下半身のストレッチをしている。この夏も足のつる選手が多く見られた中で、未然に防ごうとする工夫が川和高にはあった。有用な工夫はどんどんお手本にすればよい。
進学校らしい「準備」。こういう場面を、甲子園から全国のファンに発信できれば……甲子園は勝ち負けだけの場だけじゃない。

