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阪神はなぜ大谷翔平を指名できなかった? 阪神名スカウト「能力は大谷、と言ったのは自分一人」…藤浪晋太郎が象徴する弱点“高卒の育成が苦手”

posted2025/08/04 17:02

 
阪神はなぜ大谷翔平を指名できなかった? 阪神名スカウト「能力は大谷、と言ったのは自分一人」…藤浪晋太郎が象徴する弱点“高卒の育成が苦手”<Number Web> photograph by JIJI PRESS

高校時点の実績では大谷を上回っていた藤浪だが、2025年現在では大谷に水をあけられてしまったと言わざるをえない

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喜瀬雅則

喜瀬雅則Masanori Kise

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高校生の育成能力に疑問符をつけられてしまう阪神。その根本原因とは? ライター・喜瀬雅則氏の著書『阪神タイガースはなんで優勝でけへんのや?』(光文社新書)より、抜粋・大幅加筆してご紹介する。〈全6回の3回目/つづきを読む

 阪神は、2012年に大阪桐蔭高のエース・藤浪晋太郎(現・DeNA)を1位指名した。

 ただ、それ以前の高校生ドラフト1位指名となると、2005~07年の大学・社会人と高校生の分離ドラフトとなった3年間を除くと、1998年の高知商・藤川球児まで遡ることになる。

阪神には選手を預けたくない?

 週刊誌や夕刊紙、スポーツ紙の「関係者によると」という出処不明、裏取り不能なコメントをもとに、高校野球の指導者たちが異口同音に語っているという、ある“噂”がある。

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「阪神だけには、選手を預けたくない」

 ちなみに「阪神」「高校生」「行かせたくない」の3つのワードでヤフー検索をかけてみると、筆者のPCではなぜか「2018年」に書かれたとされる原稿が頻出する。藤浪が入団から3年連続で2桁勝利をマークしながら、プロ4年目の2016年から成績が伸びなくなり、制球難で苦しみ続けていた頃だ。

 その年、藤浪の母校・大阪桐蔭高は、藤浪がエースとして大車輪の活躍を見せた2012年以来の、甲子園春夏連覇を果たしている。

 根尾昂(中日1位・内野手)、藤原恭大(千葉ロッテ1位・外野手)ら優勝メンバーから4人がドラフト指名を受けるのだが、藤浪が“停滞”していた状況に、高校野球の指導者らが阪神の育成力に疑問符をつけ、教え子を送り出すことへの不安があるというのが話の大筋だ。

「だから阪神はアカン」という負のイメージ

 高卒の叩き上げ、生え抜きのプレーヤーが、なかなか出てこない。その現状に、いつの間にやら「だから阪神はアカンのや」「だから阪神は弱いんや」という“定番の理由付け”が添えられ、負のイメージが拭い難いものと変わり、ずっと付きまとっているのだ。

【次ページ】 大谷より藤浪を選んだ阪神

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