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16歳が100mで“10秒00”の衝撃…「9秒台を出す気持ちで」あのボルトも超えた高校2年生・清水空跳とは何者か「父は跳躍競技をやってほしかったと…」
text by

和田悟志Satoshi Wada
photograph bySatoshi Wada
posted2025/07/27 17:00
16歳の高校2年生ながら100mで10秒00の高校新記録をマークした星稜高の清水空跳。衝撃の快記録はいかにして達成されたのか
父・正雄さんは走高跳の選手で、国体入賞の実績がある。母・絵美さんは100mハードル、姉・優奈さんは400mハードルで、それぞれ活躍した。
ちなみに“空跳”という名前は走高跳に由来し、「自分の足で空に向かって跳ぶ」という意味があるという。
「父からは、走高跳や走幅跳をやってほしかったと言われていました」
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だが、当の清水はジャンパーではなく、スプリンターとして才能が花開く。
中学時代は200mで全国制覇。高校生になると、昨年7月にサニブラウン・アブデル・ハキーム(東レ)が持っていた高1最高を塗り替え10秒26まで記録を伸ばし、インターハイでは1年生ながら2位に入った。1年生の2位は、実に42年ぶりの快挙だった。
今年の日本選手権では決勝進出には100分の1秒届かなかったものの、予選で桐生の持っていた高2最高に並ぶ10秒19をマークしていた。
そして3週間後、インターハイでさらなる衝撃の走りを見せることになる。
酷暑の影響…例年と違うタイムレース決勝に
今夏のインターハイは、暑さ対策で直前に競技形式が大幅に変更された。100mの場合、従来行われていた準決勝がなくなり、予選、決勝の2ラウンドのみに。決勝は、予選を通過した24人によるタイムレースとなった。
「(予選、準決勝、決勝と)3本あったら、ただの勝負という形になっていたと思う。2本だったからこそ、ハイレベルなレースになり、良いタイムが出たと思います」
この変更を清水はポジティブに捉えていた。本来なら3本のところ2本で済んだ分、より大きな出力になったと言える。
また、実は清水の快挙の伏線は、直前に行われた決勝の第1組にあった。
<次回へつづく>

