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大谷翔平31歳「じつは投手復帰後の打率.203」160キロ+防御率1.00だが…“打撃下り坂”の懸念「ロバーツ監督とドジャースは初の二刀流運用だけに」
posted2025/07/19 06:00
投手として復帰後、短いイニングでの好投が続く大谷翔平。ただ打撃成績を見ると?
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広尾晃Kou Hiroo
photograph by
Jamie Squire/Getty Images
大谷翔平は5回目の出場となったオールスター戦、レッドカーペットを真美子夫人と歩いたのちにナ・リーグの1番DHで出場し、タリク・スクーバルから軽打してシングルヒットを放つなど2打数1安打。試合が続いている中で、早々にスタジアムを後にしたという。
チームメイトの山本由伸、エンゼルスの菊池雄星はレッドカーペットこそ歩いたものの、試合には出場せず。それでも「ASG(オールスター出場)」の回数は増える。今はこうしたスタイルも一般的になっている。
大谷はオールスターゲームだけでなく、普通の公式戦でも試合終了後、十数分で宿舎や自宅に戻るといわれている。それだけ体力の消耗を気遣っているのだろう。
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しかし6月16日に「二刀流」復帰を果たして以降、大谷の打撃成績は明らかに落ちている。
〈今季開幕から6月15日まで〉
70試279打83安25本41点11盗 率.297 OPS1.034
〈投手として復活した6月16日以降〉
25試91打19安7本19点1盗 率.209 OPS.846
本塁打こそ五月雨的に出てはいるが、この25試合、無安打が10試合あった一方でマルチヒットは4試合だけ。3安打以上は1試合もない。打者・大谷翔平は明らかに下り坂だ。
この7月5日に大谷は、31歳になった。MLB全選手の平均年齢が29歳と言われる中、大谷は「ベテランの部類」に入りつつある。以前のような超人的なパワー、スタミナを彼に望むのは、そろそろ酷になってきてもおかしくない。
各年の「投手・大谷」打撃成績を見てみると
それを象徴するのが「投手・大谷」の打撃成績である。
2018年に大谷が「二刀流」で出場した当初、投手・大谷が打席に立つことはなかった。2021年から大谷は本格的に「投手」として打線に名を連ねるようになる。
MLBは2022年、「二刀流選手が、先発投手として出場した場合、降板後も指名打者(DH)として試合に出場できる」という特別ルール(通称大谷ルール)の導入を決定。以後、大谷は登板時も「DH」として打席に立つようになった。
〈投手・大谷の打撃成績〉※投手降板後も含める
・2021年(投手)
20試60打14安3本8点1盗 率.233 OPS.817
・2022年(投手、DH)
28試101打26安2本15点2盗 率.257 OPS.730
・2023年(投手、DH)
23試78打29安7本15点2盗 率.371 OPS1.220
・2024年(投手、DH)
5試20打5安1本7点0盗 率.250 OPS.898

