オリンピックPRESSBACK NUMBER
女子体操・宮田笙子が激白60分「周りの視線…本当に怖かった」 規律違反によるパリ五輪辞退で「体操を辞めることも考えた」本人だけが知る“真実”
posted2025/07/24 11:00
2024年の経験を経て、新たな挑戦の道を歩み始めた女子体操・宮田笙子(20歳)のインタビュー(初回/全3回)
text by

矢内由美子Yumiko Yanai
photograph by
Asami Enomoto
激動のパリ五輪出場辞退から1年が経った。行動規範に違反するナショナル合宿中の飲酒、喫煙を猛省し、再び立ち上がった体操女子の宮田笙子(順天堂大学)が、不安や葛藤を抱えながらも真摯に競技と向き合ってきたこの1年間の思いを率直に語った。《NumberWebインタビュー第1回/第2回、第3回に続く》
◆◆◆
宮田が使った「這い上がる」という言葉
6月下旬、千葉県印西市にある順天堂大学さくらキャンパス。練習を終えた宮田は、穏やかな表情でインタビューの席にやってきた。
「少しケガをしている箇所はあるのですが、練習できないほど痛いという訳ではないので、まあ順調という感じですね。昔から私は人より痛みに強いんです。本当はしっかり治す方がいいんですけど」
ADVERTISEMENT
苦笑い混じりに言う。
この春は4月の全日本個人総合選手権で7位、5月のNHK杯は8位。両大会とも優勝した昨年と比べれば順位を下げる結果となったが、現状の力はほぼ出せたように見えた。そして、NHK杯の試合直後に「ここから這い上がる強さを見せたい」と言った時の宮田の静かな口調には、決意とプライドがにじみ出ていた。
「這い上がる」
それは底を見たことのある者だからこその言葉だ。思い返せば1年前、全日本個人総合選手権とNHK杯を制覇した宮田は、エースとしてパリ五輪に臨むはずだった。

