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カブス・鈴木誠也のオールスター“まさかの落選”で分かった「日本人が知らない」現地メディア“ホントの評価”…球宴は「人気投票」なのか? 

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一野洋

一野洋Hiroshi Ichino

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posted2025/07/11 17:27

カブス・鈴木誠也のオールスター“まさかの落選”で分かった「日本人が知らない」現地メディア“ホントの評価”…球宴は「人気投票」なのか?<Number Web> photograph by JIJI PRESS

オールスターで「まさかの落選」に終わったシカゴ・カブスの鈴木誠也。現地メディアからは球宴の選出システム自体の欠陥を問う声も

 とはいえ、そもそものDHの枠が少ない中、選手間投票でシュワーバーとの競り合いに敗れたことが選外要因の大きな一つになった。

 さらにMLBオールスターには「1チーム最低1人選出」という慣例が存在することも大きい。ファン投票や選手間投票で選手が選ばれなかったチームからは、(3)のコミッショナー事務局が選手を選出する。

 カブスからはすでにピート・クロウ=アームストロング、カイル・タッカーがファン投票で選出されており、他球団からの選出枠を確保するために鈴木の名前が外れた可能性が高い。その点でも鈴木の立場からは不遇でもあった。

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 カイル・ストワーズ(マイアミ・マーリンズ)は確かに良いシーズンを送ってはいるが、彼がロースター入りしたのは「全チームから最低1人は選出する」というルールがあったためだ。

実績以上に問われる「スター性」の是非

 こうした背景を踏まえると、鈴木が外れた理由は成績以外の要素が複雑に絡み合っていることがわかる。夢舞台だからこそ、成績だけでは測れない「何か」が求められるのが現実なのかもしれない。

 たとえばロナルド・アクーニャJr.(アトランタ・ブレーブス)は、今季わずか42試合の出場ながらファン投票1位で先発外野手として選ばれている。今年の球宴がアトランタ開催であることを踏まえれば理解できる部分もあるが、規定打席に到達していないという事実は象徴的だ。それでも名前が呼ばれるのは、スター選手だけが許される“特権”なのだろう。

 翻って鈴木は本塁打・打点でリーグ上位に位置しながらも、ここまで全米規模で大きく取り上げられる機会は決して多くない。

【次ページ】 鈴木落選で米メディアが問う「オールスターの在り方」

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