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カブス・鈴木誠也のオールスター“まさかの落選”で分かった「日本人が知らない」現地メディア“ホントの評価”…球宴は「人気投票」なのか?
text by

一野洋Hiroshi Ichino
photograph byJIJI PRESS
posted2025/07/11 17:27

オールスターで「まさかの落選」に終わったシカゴ・カブスの鈴木誠也。現地メディアからは球宴の選出システム自体の欠陥を問う声も
大谷やアーロン・ジャッジ(ヤンキース)が報道の見出しを飾る陰で、静かに結果を積み上げ続けている。誤解を恐れずに言えば、彼らに比べれば“地味”な存在だ。
5月下旬には打率.480、3本塁打、OPS1.552という圧巻の成績でナ・リーグの週間MVPを獲得したにもかかわらず、その時も報道は限定的だった。しかし「注目している者にとっては、そのパフォーマンスがオールスター級であることは疑いようがない」とも評されている。
鈴木落選で米メディアが問う「オールスターの在り方」
オールスターは“人気投票”なのか、それとも“実績評価の場”なのか――?
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打点王を走りながらオールスターから漏れた鈴木の姿を見て、米メディアもその問いを改めて報じている。数字だけを見れば選ばれて当然。それでも名前が呼ばれなかった。結果的にその「異例の不選出」で、全国の米メディアに鈴木の存在が印象付けられたと言えるのかもしれない。
さて、オールスター出場はかなわなかったが、他選手がけがなどで辞退すれば鈴木が追加招集される可能性は残されている。仮に呼ばれなかったとしても、このまま鈴木が打席で打点を積み重ねていけば、最終的には文句なく「主役」のひとりとなるはずだ。
同い年・同じポジションということもあり、鈴木は日本ではどうしても大谷の存在に隠れがちだ。そして、それはアメリカでも同じことだった。だが、今回のオールスターへの不選出を巡る報道を追うと、アメリカでの選手としての評価が非常に高まっていることが良くわかる。
その事実こそが、オールスター出場以上に大きな今季の活躍の証なのかもしれない。

